一時間枠で令和の時代劇を作り上げろ!「時代劇3600秒」

  • プレイ人数:2-7人
  • 所要時間:プレイ人数×10分
  • 難易度:かんたん
  • 推奨年齢:ー
3

さいころ猫的総合評価

★★★☆☆
おもしろい!
ぜひプレイしてみて

ゲーム内容

”静まれ!静まれーぃ!この桜吹雪が目に入らぬか!こちらにおわすお方をどなたと心得る!恐れ多くも天下の将軍、徳川桃太郎様にあらせられるぞ!”

プレイヤーは時代劇のプロデューサーとなり、一時間の時代劇を作り上げて視聴率を競います。
しかしこの時代の時代劇、今までと同じではありません。
なんと真剣を使った殺陣が繰り広げられるのです。

まず各プレイヤーには主人公カード1枚と脇役カード2枚が配られます。
この3人がこの時代劇作品の登場人物となるのです。

主人公カードは名優(のそっくりさん)揃い。
松方〇樹や高〇英樹、松〇健など(のそっくりさん)が演じ、総じて能力が高く設定されています。
一方で脇役カードですが、脇役と言えども一流どころが揃っていて、むしろこいつら主人公だろ!というような豪華な布陣。
能力は個性的で、単純に高性能なものからトリッキーなものまでさまざま。
このバラエティー豊かな感じがなんとも脇役です。


これらのカードにはすべて名前とビジュアルの他に事件解決力(サイコロアイコン)と特殊能力(ない場合も)、視聴率(テレビアイコン)が設定されているほか、カードの左上の右下にはタイトルジェネレーターが実装されていて、まずは配られた3枚のカードを使ってタイトルを作成し、公開します。

しかし、実際のところこれは勝敗には”一切”関係しません。
とはいえここでウケたらある意味では勝利とも言えましょう。
一方一つだけ特殊ルールがあります。
もし三枚のカードがすべて水戸黄門関係者だった場合、問答無用で”水戸黄門”を名乗ることができ、その場合視聴率20%が保証されます。
日本人って、どれだけ水戸黄門好きなんだろうか・・・・・。

このゲームは1時間を10分ずつのラウンドに区切って進行します。
開始から30分までは通常進行、40分でクライマックス、50分でエンディング(得点計算フェーズ)となります。

先手番は一番最近時代劇を見た人。
ラウンドは次の2つのアクションから構成されています。
まずはイベントカードを引く。
このイベントカード、時代劇のお約束事がいろいろ書かれているのですが、様々な効果を発揮します。

イベントの解決をした後はいよいよ本編、10分ごとに事件が発生します。
中央の場には初期カードとして3枚の事件カードが公開されており、解決のための難易度がサイコロの数で示されています。

プレイヤーは解決を試みる事件カードを選び、次に実際に解決にあたる人物を自分の人物カードから選びます。
選んだ人物カードの解決力の数だけサイコロを振り、1か6の目が出た数をカウントします。
一方で事件カードの難易度の数だけ任意のプレイヤーにサイコロを振ってもらい、同様に1と6の目の数をカウントします。


プレイヤーの出目の数が相手プレイヤーのそれを上回っていれば事件は解決し、事件カードはプレイヤーの手元に置かれますが、もしプレイヤーの出目が下回ってしまうとなんと解決を試みた人物は斬られて死んでしまいます。
(医術の特殊能力を持つ脇役がいない限り復活はしない)
もし出目の数が同数だった場合は鍔迫り合いが続いていることになり、再度サイコロを振りなおすことになります。
因みに、もしすべての登場人物が死んでしまったとしても、イベントカードで脇役カードが補充される場合があるのでゲームは続行されます。

全プレイヤーがアクションを終えたらタイムテーブルを10分進めて同様の処理を繰り返します。
尚、次のラウンドのスタートプレイヤーは、その時点での視聴率が最も低かったプレイヤーに移動することになります。


ラウンドが進み、50分になったところでエンディング。得点を計算します。
と、その前に、解決した事件カードおよび一部のイベントカードに対して反響を確認します。
対応するカードの枚数分だけ反響カードを引いてそれぞれのカードに割り当てます。
この反響カードは基礎となる視聴率を上下させる効果を持っており一発逆転の可能性を秘めています。

反響を踏まえた上で視聴率を計算し、最も高視聴率を獲得したプレイヤーが勝利です。

ここが〇

バカバカしいけど面白い!
お約束ネタがきっちり踏まえられているし、どっかで見たような人たちが繰り広げるドラマは一見の価値ありだよ!

ここが△

基本運の要素のみで勝敗が決まるので、ゲーム性は無きに等しいかな。
割り切ってみんなでワイワイ盛り上がるのが正解かな。
マニュアルに少し不親切な部分があるように思えるよ(大量に同梱されている駒の使い方とか、脇役の能力の解釈とか)。プレイに困るようなレベルではないけれど、もう少しユーザーフレンドリーだと嬉しいな。

にゃんたのプレイメモ

今日のにゃりまろ

元々90年代にリリースされた同人ゲームのリメイク作とのことですが、手を加えられながら今に至るということはやはりそれなりの支持を得ているということなのでしょう。
時代劇フリークを自認する私としても、思わずニヤリとしてしまうようなキャラクターやシチュエーションがたくさん用意されていてとても楽しいです。

しかも、殺陣が真剣という設定なので、負けるとあっさり死んでしまいますし、もっと言えば勝敗はサイコロ運にゆだねられているので、どんなに性能の高いキャラクターだったとしても、運が悪いとあっさり死んでしまいます。
実際私の桃太郎侍はバカ殿に切り殺されましたよ(笑)。
時代劇を知らない人でも銀魂の人とかるろうにの人なども入っていますので、楽しいのではないでしょうか。
どうにか確保できた視聴率も、最後の反響で一気にひっくり返されることも多々あるので、ゲーム性は正直低いですが、勝敗そのものよりもゲーム展開をみんなで楽しむのが正解ではないでしょうか。

ルールも簡単でサクッと回せるので、重いゲームをプレイした前後にウォーミングアップやクールダウンとしてやってみてもいいのではないでしょうか?


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時代劇3600秒

  • ゲームデザイン:のーべー
  • イラストレーション:鍋野たま
  • グラフィックデザイン:有我悟
  • 製作:数寄ゲームズ