金融市場を制して信仰を示せ「信仰通貨」

  • プレイ人数:2〜5人
  • 所要時間:30-45分
  • 難易度:ふつう
  • 推奨年齢:10歳以上
3

さいころ猫的総合評価

★★★☆☆
おもしろい!
ぜひプレイしてみて

ゲーム内容

この世界の神は文字通り現金だ。金を積むことだけが信仰を示す手段らしい。金融市場で海千山千の猛者達を退けて資産を増やし、神に圧倒的信仰心をみせつけてやる!

プレイヤーはトレーダーとなり、金融市場で通貨の売買を繰り返しながら資産を増やすことで、神への信仰を示すことを目指します。

各プレイヤーには初期手札として信仰カード3枚と、各種通貨2枚ずつを持ってゲームスタート。
信仰カードにはこの世界に流通する通貨が描かれており、同じ信仰カードを何枚所持しているか、また対応する通貨をいくら所持しているかで最終的な勝利点が決まります。
また、勝利点のレートを決める条件も各カード毎に異なっており、より効率的に勝利点を得られるようにゲームを進める必要があります。

スタートプレイヤーは一番最近両替した人、一番最近為替取引した人などで決めます。
手番でできることは以下の3つ。
・貨幣の売買
・信仰の変更
・市場操作

まず基本となる貨幣の売買。
所持する貨幣の中から1種類を選んで売却します。枚数は任意ですが、空売りはできません。
貨幣価値ボードで現在の相場を確認し、貨幣価値×売却数で売却総価値を算出しておきます。
次に購入する貨幣を1種類選んで購入。
この際、購入価値も同様で相場ボードで対象となる貨幣の貨幣価値を確認し、貨幣価値×購入数で購入総価値を算出します。
この際購入総価値≦売却総価値となるようにしなければいけません。
(借金不可!)
但し、意図的に購入に対して売却を多く設定することは可能です。

次に売買によって生じる貨幣の価値変動を処理します。
一般に、売却した通貨は価値は下がり、購入した通貨は価値が上がりますが、このゲームでは必ずしもそうはなりません。変動ボード上の貨幣に対応する駒を売買枚数と同じだけ動かすことで変動価値が決まります。プラスマイナス表記のマスについては、価値を上げるか下げるか手番プレイヤーが任意に決定できます。

FMSCoinのみは特殊で、その他4つの通貨の市場価値を基準に現在価値が決まりますので、売買しても直接価値変動は発生しません。

次に信仰の変更。
この世界では”どの神様を信仰するか?”については全くの任意。途中で乗り換えたとしても罰は当たりません。
どの神様でも構わないので”一番の信仰を示すこと”が求められています。
よって、市場の状況や手元の資金状況によっては信仰対象を変更する必要が出てきます。
手札から一枚選んで捨て札とし、場札としてオープンされている4枚から一枚選んで取得するか、山札から一枚選んで取得することができます。

最後は市場操作。
変動ボード上の任意の通貨駒を一つ動かすことができます。
動かした先の指示通り対象の通貨の価値が上下します。

ゲームにはプレイヤー人数に応じたタイムトラックが設定されており、任意の通貨駒が変動ボードを一周すると時間が1減少します。
当然ゲームが進行して一度に扱う通貨量が増えれば増えるほど時間の経過も早まるので注意が必要。
タイムトラックが0になった時点でその手番のプレイヤーのアクションをすべて実行し、ゲーム終了。
手元資金と現在の通貨価値を確認し、手持ちの信仰カードに記載のレートに従って得点化。最も高得点だったプレイヤーが勝利です。

ここが〇

何と言ってもコンポーネント(紙幣)がリアルで、現実のお金をやり取りしてる感が半端じゃないよ。
円、ドル、ユーロ、元、どれをとってもベースとなる本物のイメージがしっかり出ていてとてもいいよね。

ここが△

ルール上2名~ということになっているけど、人数が少ないとゲームバランスが著しく低下するよ。
信仰する神様(貨幣)によって、その価値を高める条件が異なるんだけど、その難易度が大きく変わっちゃうので、実質使えない通貨が発生しちゃうんだよね。
少人数の場合は何かオートマチックに市場が変動するような要素があったらよかったかも。

にゃんたのプレイメモ

今日のにゃりまろ

経済がテーマでちょっととっつきにくいかな?と思ったのですが、何しろリアルなコンポーネントに惹かれて購入しました。
単純にゲームを進めるという点では、この紙幣は大きすぎてかさばるので邪魔なサイズと言えなくもないのですが、やっぱりこのリアリティには代えがたいものがありますね。
銀行用に簡易的なスタンドのようなものがあるとよかったかな、と思います。(同人さんのゲーム、且つ良心的な価格設定なのでそこまで求めるのは酷でしょうが。)

実際にやってみるとルールはむしろ簡単で、やることは限られているので小難しいところはありません。
現実ではよくある空売りや信用買いといった概念も潔く排除されているので、特別な知識が無くても純粋にゲームとしてトレーダー気分を味わえます。
また、相場の変動に変動ボードを採用したことで、あほみたいな量の売買で市場を操作するといったようなパワープレイが排除されている点も遊びやすさにつながっているのではないでしょうか。
ただ、上記の通り、ゲームの性格上、少人数プレイにはちょっと合わないかな、と思います。
今回は2人対戦でしたが、もっと大人数でプレイするとこのゲームの良さがより出てくるんじゃないかな、と思いました。

尚、常に貨幣の総価値を計算しながらプレイすることになりますので、プレイヤー全員が電卓を用意しておくことをおススメします。


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信仰通貨

  • ゲームデザイン: 天空 薙
  • 制作: HLKT工房