例え兄弟でもこの性書(バイブル)は譲れない!「リビドー」

  • プレイ人数:3~6人
  • 所要時間:40-80分
  • 難易度:ふつう
  • 推奨年齢:13歳以上
2

さいころ猫的総合評価

★★☆☆☆
ハマる人にはハマるかも!?

ゲーム内容

”なぁ兄貴!俺が出かけてる間に俺の部屋入ったろ!絶対入ったよな!”
”なんだよ、知らねぇよ”
”見たのか?やっぱり見たのか!百歩譲って見たくなるのはしょうがないとしても、だからってパクることないだろ?一人で何するつもりだったんだよ!”
”だから何のことだよ!そういやさっきママがお前の部屋からごみ袋を抱えて出てきたけど?”
”まっ、マジ?”
”で、お前さっきから一体何のこと言ってんの?”
”そう、ほら、アレだよアレ、テストの答案!ちょっとヤバい点数でさぁ、隠してたんだけど、そっかー、ママにみつかっちゃったのかぁ、こまったなぁ”
”・・・・・・”

プレイヤーたちは思春期真っただ中の一つ屋根の下に暮らす兄弟となり、自らの欲望を満たすためひそかにエロ本やエロDVDといったEグッズを収集し、より高得点を獲得することを競います。

とはいえここは家族で暮らす家ですから、いつ誰が部屋に入ってくるかわかったものではありません。
大事なグッズを守るためにも、人間の尊厳を守るためにも危険物は隠しておく必要があるのです。

Eグッズは複数存在し、青年漫画雑誌といった比較的ライトなものからヌード写真集、はてはマル秘DVDといった、おそらくはとても人前に出せないものまで様々。
そしてもう一つ、何故か河原に捨てられている濡れたエロ本。
各々のヤバさ加減に応じて点数が決まっているので、できるだけハードなものを数多く揃えることが勝利につながります。

まず各プレイヤーには行き先カード8種類と隠し場所カード8種類が配られます。

初期の手持ちグッズとして濡れたエロ本が1枚配られるので、これを任意の隠し場所に隠します。
また、Eグッズ購入資金に相当する”勇気”とそれを入手するためのモチベーションとなる”リビドー”の2つのパラメータを初期値に設定したらゲームスタート。
一番最近エロ本を買った人がスタートプレイヤーです。

ゲームは以下の4フェイズに分かれています。

  • 行き先決定フェイズ
  • メインフェイズ
  • ママフェイズ
  • 隠しフェイズ

まずは行き先決定フェイズ
各プレイヤー順にそのターンにおける行き先を決めます。
大別すると自宅と外出に分かれています。
自宅でできることは二つ。
まず自分の部屋に留まること。
これにより万が一他の兄弟が部屋を荒らしに来ても防ぐことができます。また、Eグッズの隠し場所を変えることができます。
次に兄弟に部屋。
兄弟の部屋に隠されているEグッズを漁ることができます。もし運よく見つけることができればそれを頂戴することが可能ですが、運悪く兄弟が在室していて鉢合わせになってしまうと何をしに来たのか問い詰められ、ペナルティとして行先カード”兄弟の部屋”を没収されてしまいます。

外出はEグッズを入手するため、様々なお店などに出向きます。
基本的にブツの取り扱いが多い、条件の良い店は自宅から遠いので、出向くにはそれに見合うだけのモチベーション(リビドー)を必要とします。
但し、出かけることで消費はしません。ボードに記載された必要値以上のリビドーがあれば選択することができます。

一方河原は少し特殊。当然何も売っていませんが、なぜかエロ本が捨てられていることがあります。ダイス判定に成功すれば拾って帰ることができます。

全員が行き先を決めたらメインフェイズ
スタートプレイヤーから順に解決していきます。
まずはステータスUP。1ターンにつき2ポイント、ステータスが上昇します。このポイントは勇気とリビドーに振り分けることができるので、どちらか一方に2ポイントでもそれぞれ1ポイントでもOK。
その後、行き先カードをオープンします。
この際、他のプレイヤーは自分の行き先とバッティングしていないか確認し、もし行き先が被っていた場合は”おやおや”を宣言することができます。

”あれ、兄弟、こんなとこで何やってんのさ!”
”いやいや、たまたま散歩してただけだし”
”で、その手に持ってるもの、何?”
”え、あっ、あれ、漫画雑誌買おうと思ったのに、隣に変な本が置いてあるから間違って取っちゃったよ、はっはっはー”

といった感じで必死にごまかし、このターンは何もできなくなってしまうばかりか、げんなりしてしまい、リビドーが0になってしまいます。

だれも”おやおや”をしなかった場合は行き先での行動解決。
外出した場合はボードに記載された枚数だけ山札からEカードをめくり、一枚選んで残りを任意の順番で山札に戻します。
選んだカードがEグッズだった場合はそのコスト分だけ勇気を支払ってお買い上げとなりますが、カードはEグッズだけとは限らず、中にはグッズ以外のカードが入っている場合もあり、これらを入手することもできます。
効果は様々で手札として手元に置くことで、基本的に自分のターンで使うことができ、ゲームを有利に進めることができるようになります。
”対応”と書かれたカードは、自分が不利な状況に陥りそうになった際に手札から発動でき、それらを回避することができます。

全プレイヤーが処理を終えたらいよいよママフェイズ
兄弟共通の敵である”ママ”は1ターンに1度、全員の部屋を掃除して回ります。その際にどこを重点的に掃除する(探す)かはスタートプレイヤーがダイスで決めます。
もしママがEグッズを見つけてしまった場合のママの反応はその時のご機嫌で変わりますが、基本的には没収された上にママの機嫌が一段階悪くなってしまい、且つそのプレイヤーはリビドーが0になってしまいます。

ママフェイズが終了したら最後に隠しフェイズ
そのターンに入手したEグッズをどこかに隠します。
同じ場所に複数隠してもいいし、リスク分散で違う場所に隠してもOK。

これらを繰り返し実施して、Eグッズを5種類集めた人が出た、あるいは山札が尽きたらゲーム終了。
手元にあるEグッズの点数の合計が最も高かったエロい人が勝利します。


ここが〇

何しろテーマが飛びぬけてるよね!
健康な男子ならきっと誰もが経験したようなことがゲームになっていて、若き日の黒歴史がよみがえるよ!
全年齢対応なのに、なぜかイヤらしい雰囲気がするところも〇かな。

ここが△

せっかくテーマが面白いのに、システムが追い付いてない気がするよ。
山札の状態によっては、お店に行ったのにEグッズがなんにもない、というようなことも発生するよ。
ボードの半分を占める行き先があまり意味をなしてないのも残念かな。

にゃんたのプレイメモ

今日のにゃりまろ

コロナ騒ぎでゲームマーケット参加を見送ったので、同人さん応援の為にボドゲ―マーさんで物色していて見つけた作品。

このゲーム、何はともあれテーマがすべてと言えましょう。
今どきはそんなことないのかもしれないですが、昭和の時代はなぜか河川敷にエロ本が打ち捨てられる事案が時折発生していたのです。(これ、ホントの話ですよ)
まぁ流石に私は拾って帰るほどの勇気はありませんでしたけど、散歩してるふりしてチラ見みたいなことは当時多くの男子がやってたんじゃないでしょうかね。
他にもエロ本を普通の雑誌に挟んで保管してみたりとか、それらを見てるときにお母さんに部屋に踏み込まれて肝を冷やしたりだとか、あるあるシチュエーションが色々。
まぁ今となっては笑い話ですがね。

プレイヤー同士を兄弟と見立て、行き先という要素でバッティングに仕立てているところは良いと思うのですが、期待が大きかった分システムの掘り下げが甘いように感じられ、ちょっと残念だったように思います。
やはりエロ本を集めることがメインテーマなので、買いに行っても商品がないというのはいただけないかな。
Eグッズとその他のカードは分けて、手札の入手方法は別にしてあげた方がいいんじゃないかと思いました。
例えば行き先に友人宅を選ぶと悪知恵を貸してもらえる⇒手札をもらえる、とか。
また、行き先にしてもどこを選んでもめくれるカードの枚数以外にそこまで大きな差がないので、もっと特徴を出してもよかったのかな、と思います。敢えてリスクを冒して遠出することのリターンがもっとあっていい。

Eグッズにしても単に勝利点の違いだけでなく、ソフトなカードは勝利点が安い代わりにもっと入手しやすくしたり、ハードなカードは高い勝利点の代わりに何かリスクを伴わせるとか、色付けがあってもいい。
更には河原で拾う濡れたエロ本がこのゲームの特徴だと思うのですが、一律4点扱いというものちょっといただけない。
例えば濡れたエロ本は通常のEカードとは別用意しておいて、カードの特殊効果を使うかゲーム終了までは何であるかわからず、すごいお宝かもしれないし、実はBL本でマイナス点!なんかもあったら面白かったかもしれませんね。


Blank

リビドー

  • 制作:四等星
  • ゲームデザイン: レイ