お客様のご希望とあれば、lこの翼でどこへなりともお連れします「 YUKON AIRWAYS/ユーコン・エアウェイズ 白夜のチャーター便」

  • プレイ人数:1人~4人
  • 所要時間:60~90分
  • 難易度:ふつう
  • 推奨年齢:14歳~

4

さいころ猫的総合評価

★★★★☆
きっと盛り上がる!プレイして損なし

ゲーム内容

”お客様、また僻地まで行かれますねぇ。うちの業界ですとお化けなんて言うんですがね。あぁ、もちろんどこへなりとも飛ばせてもらいますよ。きっちり運賃をいただけるのでしたらね!”

プレーヤーはタクシーの運転手。タクシーと言ってもここはカナダの片田舎、とても車で行き来できる地形と距離ではないので、移動手段は小さな水上飛行機です。
この飛行機に最大4名の乗客を乗せて、彼らが望む地へと飛び立ちます。

各プレイヤーはまず自らの愛機を選びます。
飛行機の機種は4機種ですが、初期ボーナスが違うものの、性能そのものに差はありません。
各々4つ分の燃料タンクが描かれており、この燃料が出発前に補給されることになりますが、
このマスは客を乗せるたびに消えていきます。つまり客が1人のみであれば燃料3つ分使えるが、4人乗せてしまうと燃料補給なしということになります。(別の手段での補給はできるので、まったく補給なしというわけではない)

愛機を選んだら、対応した個人ボードが配られます。
この個人ボードには飛行機の計器を模した様々なメータとスイッチが備わっています。
これらは飛行機の性能を示しおり、改造することでより高性能を発揮することになります。
例えば飛行前の燃料補給量であったり、手札の枚数やドロー 枚数、各種ボーナスなど。
これらを強化していくことで、一度の飛行でより多くの顧客を乗せたり、あるいはより遠くまで行けるようになったりし、それは収入に跳ね返ってくることになります。

メインボードには桟橋と地図、カレンダーが描かれており、まずダイス を振って出た目に対応する桟橋にダイス を並べます。このダイス が顧客であり、各プレイヤーはどの桟橋の顧客を乗せるかを選ぶことになります。
もちろん後の桟橋ほどボーナスが大きく設定されているのはワーカープレイスメント のお約束。
地図上にはプレイヤーの拠点となるホワイトホースを中心に各目的地が示されているので、それぞれの目的地にプレイヤー人数と同数のカラーキューブをランダム配置します。
これは顧客のニーズを示しており、同じ色のダイス(顧客)をその目的地に運んだ際にボーナスとして得ることができます。ボーナスキューブを得るとキューブ一つにつき一回、機体改造することができます。
但し、ニーズのない目的地だったとしても、灰色のキューブを受け取ることができ、飛行実績としては残りまず。

また、目標カードが3枚ランダムに公開されており、手番の中でそのカードに示された目標を達成するとボーナスが得られます。

これらを踏まえた上でゲームスタート。
ゲームの進行は基本的に以下の4フェイズから成り立っており、それをメインボードのカレンダーで管理されている日付(火曜→日曜の6日間)分回すことになります。

  1. 搭乗フェイズ
  2. フライトフェイズ
  3. 収入フェイズ
  4. メンテナンスフェイズ

まずは搭乗フェイズ。
手番プレイヤーから順に自分のマーカーを好きな桟橋に置いていきます。
桟橋にはそれぞれボーナスが設定されているため、即時効果を適用します。
その上で同じ色のダイスを4つまで飛行機に乗せることができます。
(桟橋のボーナス効果や機体改造を実施すると異なる色のダイスを相乗りさせることができるようになります。)
その後自分の水上機カードに示された燃料タンクの分プラス、機体の燃料ボーナスメーターが示す分の燃料を補給します。

全員が上記を実施したらいよいよフライトフェイズ。
手札として配られたチケットカードから同じ目的地のカードを、乗客1名につき1枚以上場に出します。これにより乗客をそのチケットカードが示す目的地まで運べるようになります。
もし必要なチケットカードがない場合は任意の3枚のチケットカードを裏向きに出すことで代替することができます。
チケットカードの右上には赤いアイコン(燃料、お金、スパナ)が示されており、上記のチケットカードに対してアイコンが3つ揃うように追加で場に出すことができ、燃料なら追加燃料、お金なら追加料金、スパナなら機体改造のボーナスを即時適用することができます。

自分の水上機駒をチケットカードが示す目的地まで移動させ、ボードに示された必要燃料分メーターを下げます。(当然燃料が足りなければ目的地へ行くことはできません)
たどり着いた先で顧客と同じ色のキューブがあればそれを、なければストックより灰色のキューブを受け取り、個人ボードに描かれた地図上の同じ目的地に配置します。同じ色のキューブが入手できた場合はボーナスとして即1か所機体改造が可能です。
また、目標カードに示された目標に合致する項目があればそのボーナスも即時適用します。
ここまで実施した上で、さらに別の目的地に行けるだけのカード、燃料、顧客が残っている場合はさらにフライトを継続することもできます。


全プレイヤーがフライトを終えたら収入フェイズ。
そのラウンドで訪れた目的地の中で最も高い数字(=遠い場所)の分だけお金を得ることができます。また、目的地に運んだ乗客1名につき1$の運賃、もし僻地(オールドクロウ/イヌヴィック)まで飛んだのであれば、遠隔地ボーナスが得られます。
また、目標カードのボーナスが報酬であり、かつそれを達成していた場合はこの時点で報酬を得ます。

最後はメンテナンスフェイズ。
目的地に運んだダイス(乗客)と、飛行機に残ったダイス(乗客)を回収し、すべて振りなおし、出た目の桟橋に配置します。
その上で個人ボードに示された分だけチケットカードをドローし、同様に示された最大手札枚数と一致するように調整、多い場合はその分を捨て札にします。

これらを繰り返し、日曜日を終えたらゲーム終了。
最もお金を稼いだプレイヤーが勝利です。

ここが〇

飛行機の計器みたいな個人ボードで自分の状態をすべて管理できるのがいいね。かっこいいし。割と簡単に改造できるので、どんどん能力が向上していくのも気分がいいよ。

ここが△

能力やカード効果など要素が多いので、覚えるのが大変。言語依存性 がほぼなく、すべてアイコンが示されているので一度覚えれば問題ないのだけれど・・・・。

にゃんたのプレイメモ

今日のにゃりまろ

このゲームの最大の良さは何しろ個人ボード。アナログメーターが並んでそれだけでかっこいいですし、それを動かしながらゲームを進めるととても楽しいです。
ただ、一方でせっかく凝ったコンポーネント なのに、作りが少々甘いのが残念。メーターの針を樹脂の留め具で挟み込むような作りになっているのですが、留め具の設計が甘く、普通に留めるとメーターが回転方向だけではなく上下左右にガタついてしまいます。色々工夫してみましたがどうにもならず、私はやむなく接着剤を併用して対処しました。
そもそも嵌め合いもいまいちで一回でパチン!っと決まらない。やっぱりバン〇イのガ〇プラのスナップフィットはとんでもなくよくできているんだなぁと変なことで感心してしましました。
余談はさておき、スイッチもトークン を置くだけですし、もう少しお金をかけていいのでかっちりしてたらよかったのになーと思いました。
また、メインボードの地図はせっかく実在の地名を使っているのだから、もう少しリアルに寄せてもよかったんじゃないかなぁと思います。
とまぁ少々残念だった部分を並べましたが、ゲームそのものはとてもよくできたワーカープレイスメント です(厳密にはワーカープレイスメント には当たらないかもしれないですが、亜種と考えて良いかと思います)。
常に燃料が不足気味になるように調整されていて、いかに必要な燃料を確保するか、そのためにどこを優先して改造していくか、相手に先を越されたくないけれど、ボーナスは多くとりたい、そんなジレンマがきっちり詰め込まれていて、とてもよくまとまっていると思います。
最初は若干とっつきにくい感じがありましたが、一度理解できてしまえばそれほど難解なところはありませんので、まずはテストで1ラウンド回してみることをお勧めします。
言語依存性 はないので一度キーポイントを覚えればあとはスムーズですよ。
逆に言えば覚えるまではマニュアル首っ引きになるのでこの辺りはこのゲームに限らず言語依存の低いゲームの良し悪しな点ですね。


YUKON AIRWAYS/ユーコン・エアウェイズ 白夜のチャーター便

  • ゲームデザイン:Al Leduc
  • メーカー : Ludonova
  • 日本語版販売 : アークライト