人類の宇宙への挑戦か 宇宙の人類への挑発か「月面探検」

  • プレイ人数:2〜5人
  • 所要時間:40分
  • 難易度:かんたん
  • 推奨年齢:10歳以上
3

さいころ猫的総合評価

★★★☆☆
おもしろい!
ぜひプレイしてみて

ゲーム内容

「宇宙服は 俺らの味方だ!」

プレイヤーは月面探査のミッションを遂行中の宇宙飛行士。
折しも発生した太陽からの凄まじい磁気嵐により月に閉じ込められてしまい、地球からの補給物資も月面に散らばってしまった。生き抜くためにはこの物資は必要不可欠。
決死の覚悟でEVA(船外活動)による物資回収ミッションに挑む!

まず各プレイヤーには役割が与えられます。
5種類のうち1種類を担当することになりますが、それぞれ少しずつ能力が異なっており、特徴を生かしながら月面に散らばる物資の回収に挑みます。
ミッションにあたり、各プレイヤーにはプレイヤーを示す駒のほか、容量5のタンク(ちからもちは容量6)と2または3の酸素が充填された酸素カード3枚、エンジニアのみロボットが配られます(ロボットはそれ自体何もしませんが、移動の際にロボットを跳び越すことができるので、移動力補助になります)。
物資は基地のすぐ近くから相当遠方にまで散らばっていますが、その一部は破損して使い物になりません。
ただ、基地から遠ければ遠いほど破損確率は下がるので、できるだけ遠くから物資を持ち帰ることで健全な物資を必要数集めることができる可能性が高まります。

ゲームはターン制で進行し、それぞれの手番でできることは以下の通り。

  1. 酸素を消費してダイスを振る
  2. アクションを実施する
  3. 酸素を補給する

まずダイスを振る。
これには酸素を必要とします。

ダイス1個振るためには1酸素が必要で、最大3酸素使って3つのダイスを振ることができます。
このダイスの出目の合計がアクションポイントとなり、以後ポイントが許す限り以下のアクションをとることができます。

  1. 移動
  2. OSG(酸素生成装置)起動
  3. ルート開拓
  4. タンク共有
  5. 物資回収
  6. 物資投棄

まずは移動。
アクションポイント分だけ移動することができます。

次にOSG起動。OSGとは酸素生成装置であり、ターン終了時に起動されているOSGの上にいる場合のみ酸素補給することができます。

ルート開拓。自分の前後いずれかのマスにルート駒を設置することにより、以後移動の際はルート駒を飛ばして移動することができるようになります。

タンク共有。文字通り隣接する他のプレイヤーとタンクの中身を共有(交換)することができます。酸素の補給、あるいは回収した物資の受け渡しなど。

物資回収。今いるマスに落ちている物資を回収できますが、中身を確認することはできません。

物資投棄。一度回収した物資を投棄します。

最後は酸素補給。
前述のようにプレイヤー駒がOGSの上にいる状態でアクションを終了した場合に酸素を補給することができます。
補給量は空きタンク容量に依存し、完全に空っぽの状態ならばカード5枚分の酸素を補給することができます。
しかしながら、酸素カードの山札の中には磁気嵐カードが含まれており、これを引いてしまった場合そのOGSは破損し、補給はその時点で終了。かつ、破損したOGSは以後使用不可能になってしまいます。
当初山札の中に磁気嵐カードは一枚ですが、山札が尽きて捨て札をシャッフルして再度山札を作る際、もう一枚磁気嵐カードを追加で山札内に仕込まなければならなくなります。
つまりゲーム終盤になればなるほど磁気嵐に遭遇する可能性が高くなる、ということになります。

また、最も基地から遠い地点にはバギーが配置されており、これに乗り込むことができます。
バギーは通常の倍の移動能力を持っていますが、物資の回収やルート開拓、OGS起動はできません。

これらを繰り返し、最終的に全員が基地に無事帰還し、かつプレイヤー数に応じて規定された量の物資を確保することができればプレイヤーの勝利となります。
一方、物資の量が足りなかったり、だれか一人でも酸素が尽きて帰還できなければ敗北となります。

もう一つ、特殊エディションには漫画”宇宙兄弟”とのコラボカードが同梱されています。
役割カードと入れ替えて使うようにできており、半数は基本ルールと同じ効果ですが、ユニークな能力が設定されているカードが何枚か含まれています。いずれも極端にゲームバランスを崩すような能力ではないですし、ゲームルールは全く変わらないので、気軽に使って問題ないでしょう。

ここが〇

それほど難解なルールはないし、コンパクトなパッケージなので遊びやすいんじゃないかな。協力ゲームなのでみんなでワイワイやると楽しいよ。

ここが△

少し運の要素が強すぎるかな。
物資が壊れているかどうかは終わってみないとわからないので、リスクを取って遠くまで出かけて行って回収してきてもことごとく壊れていた、ということもあり得るんだよね。動きも基本ダイスなので、もう少し何かフォローがあってもよかったんじゃないかなぁ。

にゃんたのプレイメモ

今日のにゃりまろ

タイトル通りの月面探検がテーマのゲームですが、簡単なルールとシンプルなコンポーネントで不毛の月面を僅かな酸素を頼りに探検する雰囲気がよく出ています。
小さなパッケージに詰め込まれていますので、説明書やサマリーカードの文字が小さくて見づらくはありますが、ルールそのものは一度覚えればそれほど難しくないので、説明書首っ引きというようなことにはならないと思います。
バギーの駒はプレイヤー駒とぴったりはまるようになっていて、バギーに搭乗している感じがよく出ているなど、細かいところにもこだわりが見られます。
また、宇宙兄弟とのコラボパッケージでいえば、これ、むしろ宇宙兄弟のゲームでしょ?と言ってまったく差支えないような内容になっていますので、宇宙兄弟好きな諸氏にはとてもオススメできます。逆にこのゲームが面白いと思った方で宇宙兄弟読んだことない方はぜひご一読いただくことをオススメします。すごくいい漫画ですよ。
少々脱線しましたが、基本的にいいゲームだとは思うのですが、前述のように少々運要素が強すぎることが気になりました。
私は嫁と二人で3回プレイしましたが、いずれも十分な量の物資を抱えて基地に帰還できたのに、ふたを開けてみれば破損した物資がかなり多くて失敗、という結果になってしまいました。
尤もこれはプレイ人数によって変わってくる可能性は大いにあるので、3人以上でプレイすれば評価も3点→4点になるかもしれませんね。
あ、ご存じの方はご存じと思いますが、本レビューのキャッチコピーはコナミの名作、ポリスノーツより引用させていただいております。古い作品ですが、いまだに色あせない宇宙をテーマにしたアドベンチャーですので、併せてオススメしておきたいと思います。


月面探検

  • ゲームデザイン: 佐々木 隼(Jun Sasaki)
  • 制作: オインクゲームズ(Oink Games)