海商王に俺はなる!「Amalfi」

  • プレイ人数:1-4人
  • 所要時間:90-120分
  • 難易度:やや難しい
  • 推奨年齢:12歳~

4

さいころ猫的総合評価

★★★★☆
きっと盛り上がる!プレイして損なし

ゲーム内容

中世イタリアの海運都市、アマルフィを拠点に商船を揃え、地中海狭しと貿易を拡大して利益を上げろ。
時はルネサンス真っ只中、一流の商人たるもの芸術や文化にも投資して町全体の発展に貢献すべし!

プレイヤーは中世イタリア商人となって商船をやりくりしながら各地と貿易をして利益を上げ、その成果を芸術、文化、建築などに投資することで都市の発展に貢献することを目的とします。


各プレイヤーには個人ボードが配布されるので、船駒と食料駒、植民地駒をセット、手札となる人物カードを受け取ります。

メインボードに場札となる人物カード、契約カード、海図カードをセットし、今回のプレイにおける目標となる決算カードおよび称号カードをセットしたらゲームスタート。
最近船に乗ったプレイヤーがスタートプレイヤーです。

このゲームのシステムは基本的にワーカープレイスメントですが、他と大きく異なる点は資金(ターリ)と資源、ワーカーのすべてを一つの船駒が担う点にあります。
個人ボード中央の海スペースに配置された駒はすべてワーカーとして機能しますが、派遣した先で得た資源はボード上部に描かれた資源スペースに船駒を配置することで資源を所持していることを示します。
また、それぞれの資源スペースには船駒1個がお金に換算して何ターリ分に相当するかが記載されています。香辛料なら1個当たり2ターリ、その他の資源は1個当たり3ターリに相当します。
ゲーム中発生する支払いのほとんどは”資源から得られる資金”によって処理します。
例えば小麦で3ターリ、という形で支払い金額が示された場合、小麦の資源スペースにある船駒を中央の海スペースに戻すことで”支払った”とみなされます。この場合、もしほかの資源が余っていたとしても、小麦以外の資源で支払うことはできません。
また、お釣りが生じた場合は追加個人ボードで管理する食料に充当されます。
食料は特殊な資源であり、食料を消費して実施するアクションもあるので、これはこれで重要になってきます。
支払い済みの船駒はまたワーカーや資源として機能させることができるようになります。
但し、船駒を個人ボード左下の本国スペースに移動させることで、いかなる支払いにも使用できる3ターリ分に充当することができます。が、これは緊急調達であり、これを使用してしまうと次のラウンドまでその船駒は使用不可になってしまいます。

これを踏まえてゲームを進めるのですが、
このゲームは全4ラウンドからなり、それぞれのラウンドは3つのフェイズに分かれています。

  • 開始前の準備
  • アクションフェイズ
  • 食料フェイズ
  • 決算・準備フェイズ

まずは開始前の準備。
全員でそのラウンドの決算カードを確認します。
決算カードは達成目標が示されており、各ラウンド内容が異なっています。適用されるのは対応するラウンドのみであるため、そのラウンドにおける行動の指針になります。

アクションフェイズはスタートプレイヤーから順に手番を実施します。
プレイヤーは6種類のメインアクションから1つを選んで実行します。
すべてのプレイヤーがバスを選ぶまで繰り返し実施します。

  • 船駒の配置
  • 海図カード/契約カードの獲得
  • 造船
  • 人物カードを場に出す
  • アクション系人物カードの発動
  • パス

船駒の配置はいわゆるワーカーの配置。メインボード上または自分の手元にある海図カード上のアクションスペースに配置します。
その後各スペースに支持された資源を獲得したり、効果を解決したりしますが、スペースにパンのアイコンが示されている場合は、その数と同じだけの食料を追加個人ボードから支払う必要があります。支払えない場合は当然ながら資源や効果を得ることができません。

メインボードには海図カードおよび契約カードが場札としてオープンされていますので、そのなかから1枚を選択して獲得することができます。その際、カードに示されたターリを、それに対応した資源で支払う必要があります。また、場札がどこに置かれているかによって追加請求がある場合があるので、必要に応じてその支払いも実施します。
獲得したら残りの場札を右詰めにして一番左に山札から補充、獲得したカードは手元に表向きで配置します。
契約カードにはボーナスが描かれている場合があり、手番終了後に一度だけ入手することができます。

造船は手元の船駒を増やすアクション
コストとして小麦由来のターリを支払うことで新たな船駒を造ることができます。
但し、船駒として機能するのは次のラウンドからであることに注意が必要。
造船にかかる費用はラウンドが進むごとに下がっていきます。早いラウンドで造船すれば実稼働ラウンド数が増えますが、代わりに1隻当たりのコストが高く設定されているので、どのタイミングで造船に踏み切るか、考えどころになります。

人物カードを場に出す場合は、契約/海図カード購入と同様、カードに示された種類の資源で示された額のコストを支払わなければなりません。
効果は各カードでユニークになっており、カードの色によって大まかな特性が決まっています。

  • 緑:即時系→場に出した瞬間効果が一度だけ発動
  • 青:永続系→カードに示されているタイミングで、ゲーム中何度でも効果を発動
  • 赤:アクション系→1ラウンドにつき1度だけ効果を発動。
  • 黄色:終了時系→追加の勝利点が得られる。

アクション系(赤枠のカード)のカードが自分の場表向きで出されている場合、効果を発動させることができます。
効果を解決した後、対象のカードは横向きにし、そのラウンド中の再使用はできません。
ラウンド終了後、縦向きに戻して再使用可能になります。

上記のメインアクションいずれも実施できない(またはしたくない)ばあい、パスを選ぶことができますが、その時点でそのプレイヤーはラウンド終了となります。

その他、フリーアクションとして自分の手番中であれば任意のタイミングで以下のアクションを任意の回数実施できます。

  • 手札から人物カードを1枚以上捨て、同じだけの食料を得る
  • 資源スペースの船駒を海スペースに移動させ、相当ターリ分の食料を得る。
  • 海スペースの船駒を本国スペースに移動させ、相当ターリ分の食料を得る(緊急調達)。
  • 称号カードを達成する。(メインボード右に提示された全プレイヤー共通の目標。達成が早かった順に高い勝利点が得られる)

全プレイヤーがバスを選んだら食料フェイズに移行します。
食料フェイズでは各プレイヤーは以下の処理を実施します。

  • 獲得→これまでにアクションフェイズで獲得した植民地駒の数に等しい食料を得る。(所持上限を越えたら切り捨て)
  • 支払い→自分の造船所に見えている、最も大きな数字に等しい食料を支払う。ゲーム開始時は食料2ですが、造船を繰り返すたびに支払いが増える。足りない場合は食料1に対して勝利点3で充当。

最後に決算フェイズ。
最初に確認した決算カードに基づいて勝利点を計算、取得します。

その後、以下の処理を行います。

  • メインボードから一番右にある海図カードを公共の海図カードとして再配置、一枚補充
  • メインボードの一番右と右から2番目の契約カードを捨て札とし、残りのカードを右詰めにして新たなカードを補充。
  • すべての船駒を回収し、個人ボードの海スペースに再配置
  • スタートプレイヤーマーカーを左隣に渡す
  • このラウンドで適用した決算カードを裏返す

以上、4ラウンド実施しのちゲーム終了となります。
ゲーム中に獲得した勝利点に加え、植民地の勝利点、獲得した海図カード/契約カードから得られる勝利点、自分の場にある終了時系人物カードから得られる勝利点を加え、最も勝利点が高かったプレイヤーが勝者となります。

ここが〇

とにかくきれいなコンポーネントが目を引きます。特に各駒の造形が細かくて、とてもいい感じ。
ワーカープレイスメントなんだけど、このゲーム独特のギミックのおかげで、なんだか錬金術をやってるような気になってくるよ!

ここが△

えーと、えーと、船駒の残りが何個だったっけ?、船は資源も兼ねてるから、結局いまいくら持ってるんだっけ~

にゃんたのプレイメモ

今日のにゃりまろ

個人的に思い入れのある国でもあるイタリアを舞台にしたワーカープレイスメントです。
まずコンポーネントの美しさが目を引きますが、このゲームの良さはそれにとどまりません。
とにかく船駒一つであれもこれも処理してしまうというギミックの発想が秀逸で、すごくよく考えられてることに気づかされます。ただ、一方でわかりづらさにもつながってしまっている感が否めないので、特にゲーム慣れしていない方などはとっつきにくさの要因になってしまうかもしれません。初心者の方とプレイされる場合は経験者の方がこまめにフォローしてあげるようにしたいものですね。
このワーカーと資源が共通駒である、ということによって、アクションの実施とそのためのリソース確保についてのバランス感覚が必要になります。
また、一般的なワーカープレイスメントと違って、資源は次のラウンドに持ち越せないというのも面白いところですね。
他のカード類なども一見シンプルなデザインで小難しいように見えてしまうのですが、一度回してみるとそこまで難解なわけではないということがわかると思いますよ。
一見あまり価値がなさそうに思える海図カードが、あとラウンドになって本当に重要になってきたり、どこでどの人物カードを使うかによって後の展開が変わってきたりとワーカープレイスメントの面白さと奥深さがバランスした良作と思います。


Amalfi

  • 制作:uchibacoya
  • ゲームデザイン:yamada takeo