「他人と違う、自分のことがわからない」女子高生の繊細な気持ちに寄り添うストーリー
京都を舞台に、引っ込み思案の女の子、美姫がボードゲームをきっかけに友達を作り、楽しいことを見つけていくお話の第1話。
ひょんなことからポジティブでエネルギッシュな綾に出会い、つれ回されることに。ともするとこの手のキャラはウザキャラになってしまうのだけれど、自分のペースに巻き込みつつも美姫のこともちゃんと考えての行動なので、嫌味がないのかもしれないですね。
こうして改めて引っ張り回されることで、美姫も地元のことなのに案外知らないことが多いということに気づかされたんだろうね。
実際私も京都は何度も行ってるけど、街の雰囲気がよく出ていたと思います。(この作品は全体的に美術が良くできてると思う)
ゲームショップの中、すごろくやさんにしか見えない…!
さて、その後、委員長の翠を見かけ、後をつける形でゲームショップ、さいころ倶楽部に足を踏み入れる訳ですが、繁華街の裏手にある雑居ビルの3階とか、ゲームショップあるあるですね。店内がすごろくやさんのテイストの落ち着いた空間というのもGood。
しかも陳列されているゲームの数々は実在する名作ゲームばかり!
ここで美姫と綾は初めてボードゲームに触れることになります。
今回のゲームは、モロッコのじゅうたん商人たちが競う「マラケシュ」
遊んだゲームはマラケシュ(私は未プレイ)。解説が、ルールだけでなく世界観も含めて必要十分に纏まっていて、とても分かりやすかった。
店長が初心者相手にも手加減なしというのも良かったです。譲られた勝利では勝った嬉しさも負けた悔しさも、もう一回!という情熱も、そういったゲームの本当の楽しさには気がつけないだろうし。
諦めずにプレイすれば一発逆転もあり得るわけだし、それこそゲームの醍醐味だからね。
ゲーム自体の展開ははしょられてましたが、尺を考えればまぁしょうがないかな。
翠が所謂委員長キャラなんだけど、ただルール命の石頭な訳じゃないというところも垣間見えてよかった。
さぁ、待ちに待った「放課後さいころ倶楽部」TVアニメ放映!
OPから、 見たことあるゲームで使われているイラストがバリバリ登場人物たちと絡んでいて、ボドゲ愛が溢れている!いいね、いいね!
パッケージやコンポーネントの描写だけでなく、キャラクターを切り出して使うのまでちゃんと許可取れたんだなぁ…!
「ゴキブリポーカー」のごきぶり君と絡むヒロインとか、見られると思わなかったよ!もうね、期待値超えてきたね。
本編。「京都×ゲーム」って時点で勝ったも同然だろ……っ!
京都の風景を背景に高校生活を見るの、目が楽しいよ。
京ことばのヒロインもね、ホントいいよね!美姫の声優さん、方言上手。
あとこれは原作がそうなんですけど、ボードゲームねただけでなく、
登場人物たちの青春ストーリーとしても面白くて、ちゃんと一本芯が通ってるなぁって改めて思います。
学校に居場所を見つけられない美姫のクラスでの違和感とか、きゅんと来て共感しやすい。
綾に振り回されるシーンでは視聴者も京都の街を堪能できたし、ボードゲームを通じて、翠と仲良くなっていく描写も自然でいいよね。
日常系アニメとして見てる人も楽しめるんじゃないかな?
もちろん、ボードゲーム描写もね、こうコンポーネントの再現率が素晴らしくて、たまらないものがありますね!
ゲーム展開は省略していたけど、ゲームルールの説明もわかりやすいし、このゲームの楽しさがどのあたりかって、伝わってきてよかったと思う!
「マラケシュ」やってみたいなぁ!
絨毯タイルがキレイで、ゲームが進むにつれてメインボードが華やかになっていくのが楽しそう♪
スタッフロールでもホビージャパンとかイエローサブマリンとか、ボードゲーム好きがお世話になっている錚々たるメーカーやお店が目白押し。
業界をあげて、このアニメ化を応援するぜ!って気概を感じさせます。
個人的には「すごろくや」とか「JELLY JELLY CAFE」とか、いまだかつて見たことないようなCMにも注目してしまいます。
なんか作りがCM慣れしてないかなと思ったりもするけど、それも微笑ましいよね…!
そういえば、ゲームマーケットのCMが「キャサリン」ねただったよ
マジかー!?死んでる場合じゃねぇーっ!!
アトラスゲームファンとしても、ちょっとうれしい…
これはアニメ化して、大正解だったのではないでしょうか?
(…ご主人、「やっとアニメ見られたから、ちらっとコメントしてくるねー!」とか言ってたけど、このボリューム…)
※リンク先「ゲッサンWEB」で原作コミック第1話が無料公開されてます!(2019/10/6現在)
放課後さいころ倶楽部 1巻
- 作者:中道裕大
- 出版社:小学館(ゲッサン少年サンデーコミックス)