- プレイ人数:1~4人
- 所要時間:100分~120分
- 難易度:ふつう
さいころ猫的総合評価
★★★★★
鉄板のおもしろさ!絶対オススメ!
ゲーム内容
ローマ帝国の繁栄、それは海上交易による物資の流通に支えられていた。
首都ローマにほど近い港湾都市Ostia、そこを根拠とする商船主たちが船団を組織して各地と交易し、都市を建設し、さらに船団を強化して貿易を促進させる。
それにより帝国はさらに発展し、貢献した商船主は大きな名声を手にすることとなる!
プレイヤーはローマ帝国の中心的貿易港として名高いOstiaを拠点とする商船主となり、各地と交易することで都市を発展させ、経済を回し、名声を得ることを目的とします。
中央のメインボードには、プレイヤーの拠点となるOstiaと、最終的な貿易目標(終着地)となる4都市、さらにその中継点となる貿易港がそれぞれ示されています。
メインボード上に初期交易港タイル/交易港タイル/中継港タイルをそれぞれセット。発見タイル、建物駒および終着地タイルを配置します。
更にプレイヤー毎に船駒、建築ディスク、褒章トークン、初期資源が配布されます。
船駒はOstia港が示された個人ボードの6つの区画に各々コビタ船(小さい船)を配置、初期配置カードに従ってさらに3か所に追加配置します。
残った船駒は個人別の建造/造船トラックボード上に指示に従って配置し、コビタ船一隻をメインボードの出発地点に配置します。
船ゴマは2種類ある 港を模した個人ボード。 建築/造船トラックで管理
同様に建築ディスクを 建造/造船トラックボード 上に配置します。
褒章トークンはメインボード上の褒章トラックに配置します。
褒章が増えれば増えるほど、勝利点が増える
適当な方法でスタートプレイヤーを決めたら、そのプレイヤーの右隣から反時計回りに自分の建築ディスク一枚をメインボード上の初期交易港タイルに配置、対応する建物駒を自分の港の初期建物スペースに配置します。
初期建物は何の効果も発生しませんが、以降建築を進めると貰える資源が増えたり、消費する資源が減ったりとゲームを有利に進めるための効果が得られます。(建物の種類による効果の差はなし。)
どれも美しい建物駒
スタートプレイヤーマーカーは古代ローマ人。渋い!
ゲームは次に3フェイズにより成り立っています。
- 選択フェイズ
- 生産フェイズ
- アクションフェイズ
まずは選択フェイズ。
手番プレイヤーは個人ボードに示された港にある6つの区画より1つの区画を選択します。
(船ゴマがない場合は選択不可)
次に生産フェイズ。
選択ジェイズで選択した区画にある船駒の数を数え、合計数と同じだけの資源キューブを受け取ってその区画の資源エリアに配置します。
その際、もしボンタ船(大型船)ゴマがある場合はコビタ船駒2つ分としてカウントします。
そしてアクションフェイズ。
選択フェイズで選択した区画にある船駒をすべて手に取り、その区画から時計回りに一つ進んだ区画に任意の船駒を一つ配置します。以降、手元の駒がなくなるまで一つずつ時計回りに配置していき、最後の一個を配置したエリアに対応するアクションを実施することができます。
実施できるアクションは以下の通り。
- 移動
メインボード上の自分のコビタ船を終着地に向けて移動させる。
資源(許可証)を支払って対応する歩数だけ移動する。もしメインボード上に複数のコビタ船ゴマが存在する場合は、歩数を分割割り当てしてもOK。
ボード上に存在する発見タイルを通過した場合は即座に獲得する。
中継港タイルに止まった場合は示された資源を即時獲得する。
終着地タイルに到達した場合は最初の到達者である場合は上半分、それ以降の場合は下半分のエリアに船を配置、即時報酬がある場合は報酬を得る。
交易港タイルに止まってもその時点で効果はないが、止まる(あるいは通過する)ことによりその交易港は有効化され、以降交易アクションでの使用が可能となる。
中継港タイル 交易港タイル 初期交易港タイル 終着地タイル 発見タイル(褒章) 発見タイル(猛獣、珍獣)
- 造船
造船トラックの一番下にある船駒について、要求数分の木材を支払うことで建造可能。
十分な資源があれば複数同時に造船もOK。
新たに造船した船がコビタ船だった場合、即座に個人ボードの任意の海エリアに配置し、以降のアクションですでに配置済みのコビタ船同様に使用可能。
一方、ボンタ船だった場合は個人ボード上の任意のコビタ船駒と交換し、交換したコビタ船駒はメインボードの出発地点にレイアウトする。
但し、メインボード上にある自分のコビタ船駒が、メインボードに破線で示された近海エリアに一つもないことが条件。
破線より左側の海域は近海エリア
- 注文
市民や貴族に食料を供給し、代わりに勝利点や資源を獲得するアクション。
オープンされている注文カードの中から一枚を選び、左上に示された数の麦を支払うと共に中央に示された資源を得る。また、右上に示された個数のアンフォラ駒を獲得する。
下段に示された人物は貴族/貴婦人であり、勝利点計算に使用。
アンフォラ駒。イカではない。 注文カード。いつの時代も顧客の注文は煩い!
- 建築
建築トラックの一番下にある建築ディスクを、対応する個数の石材を支払って獲得し、メインボード上の初期交易港または交易港タイルの上に配置。
(但し、まだ自分の建築ディスクが配置されていないことと、自分のコビタ船ゴマが停止もしくは通過した港であることが条件。)
建築ディスクを配置したタイルに即時報酬が示されている場合はその報酬を取得。
交易アクション時効果もしくはゲーム終了時効果が示されている場合はそれらの効果が有効化される。
建物置き場から建物駒を一つ取り、個人ボード上の建物スポットへ配置。以降対応する効果(取得資源増加/要求資源減少など)が発動する。
建物が増えると生産性がどんどん向上する
- 交易
メインボード上の、自分の建築ディスクが配置されている交易港を利用して様々な資源を入手する。
それぞれの交易港の効果を複数使用しても可(資金の許す限り)。
全体栄誉カードのうち、示されている条件を達成しているものを購入することもできる。
勝利点につながる全体栄誉カード
- 監督
このアクションは特殊で、まず対応する資源は存在しない為、資源を得ることはできない。
代わりにほかのアクションを効率的に実施することができる。
1、任意アクション
上記の移動/造船/注文/建築のうち、任意の1アクションを実施できる。
2、監督アクション
監督アクションに対応する区画の海エリアについて、そこにあるすべての船駒を手に取り、そこから通常のアクションルール通り時計回りで順次船を配置、最後に配置した区画に対応するアクションを実施できる。 - フリーアクション
3金を払うことで任意の資源1個と交換できる。
上記フェイズを繰り返し実施して以下の条件を満たした場合、スタートプレイヤーの右隣のプレイヤーが手番を終えた時点でゲーム終了となります。
- いずれかのプレイヤーの褒章トークンがトラック12に到達
- いずれかのプレイヤーのコビタ船駒3個以上が終着地タイルに到達
- いずれかのプレイヤーの造船トラックからすべての船駒がなくなる
- いずれかのプレイヤーの建築トラックからすべての建築ディスクがなくなる
- 共通サプライからアンフォラ駒がすべてなくなる
最終的な勝利点は以下の項目を集計することで確定、最も点数の高かったプレイヤーが勝利です。
- 褒章トラックからの勝利点(建物、船、アンフォラの個数×褒章)
- セット得点(猛獣/珍獣/貴族/貴婦人で1セット)
- 交易港タイルからの得点
- 終着地タイルからの得点
- 栄誉カードからの得点
ここが〇
古代ローマ時代に実在したという6角形の港を模した個人ボードをたくさんの船が行き交い、資源のやり取りや様々なアクションをこなしていくのはとても面白いし爽快!
マンカラアクションも最初は戸惑ったけど、すぐに慣れるし、2手3手先を考えながら進めていくのはとても楽しいよ!
ここが△
コンポーネントが豪華なので仕方ないのだけれど、ボードがかなり大きいので広いテーブルが必要だよ。
にゃんたのプレイメモ
とにかく面白い、それに尽きますね。
古来より存在するマンカラというゲームを祖とするアクション方式を採用し、手元の船をダイナミックに動かしていくのはとても爽快。もちろんこのシステムの影響で、入手できる資源と今やりたいアクションが必ずしも一致するわけではなくなる為、うまく考えながらアクションしていく必要が出てはくるのですが、その点を差し引いてもそこまで資源がカツカツ、という訳ではなく、やりたいことが比較的思い通り色々できるので、あれもこれもうまくいかない!資源がなくて何もできない!というストレスは少な目。1ゲームにかかる時間もダラダラ長くなりにくく、(この手のゲームとしては)短時間で拡大再生産の醍醐味をきちんと味わえるようにシステム設計されています。
勿論マンカラアクションの計算を間違えるなど、思ってたんと違う!という結果が出ることもちらほら。でも逆に想定外の状況をうまく利用してリカバリーできたりするとそれも快感です。
また、勝利点を得るルートがたくさん用意されているので、いろいろな勝ち筋が考えられるのも魅力。プレイを進めていくうちに自分の港の周りに色々な建物が立ち並んでどんどん豪華になっていくし、行き交う船もどんどん増えてにぎやかになっていく様はすごく気持ちがいいですね。
一方で相手プレイヤーを直接攻撃したり、足を引っ張ったりという要素は基本的にありません(相手を出し抜いていち早く目的地に到達する、といった程度でしょうか)。ですので、対戦形式でバチバチやりたい人には少し物足りないかもしれませんが、じっくり自分の戦略を進めて結果的に相手を上回ることを目指すタイプが好きな人には間違いなくお勧めできます。
このゲームのもう一つのポイントはやはりコンポーネントの美しさです。Ostiaに限らず、uchibacoyaさんのゲームはどれもそうなのですが、木駒を多用したコンポーネントがとにかく豪華で美しい。見てるだけでも楽しくなってしまいます。
当サイトですと、AmalfiやAQUa Gardenが同じ uchibacoya さんのゲームです。
また、Ostiaについて言えば、インナートレイの作りがとんでもなく秀逸。必要なコンポーネントがキチンときれいに収まるように出来ています。私も(分野はまるで違いますが)設計の仕事をしていますが、これを設計された方の設計センスの良さを感じずにはいられませんね。
尚、これだけ凝った木駒がたくさんあると、残念ながら時に破損してしまっているものがあったりもします。こればかりは”ボードゲームあるある”であって仕方のないことだと思っていますが、そんな時はWebサイトを通じてuchibacoyaさん連絡を取ればすぐに対応してくださいます。
勿論他のメーカーさん(私はアークライトさんとホビージャパンさんにて経験あり)でもきちんと対応頂けると思いますが、 uchibacoya のフォローははもう一つ丁寧かつ迅速でとても気持ちの良い対応だったと思いました。
(当サイトに掲載されている画像はグレードアップキットを適用しています。また、一部拡張キットのコンポーネントも含んでいますのでご注意ください。)
たくさんのコンポーネントがキチンと収まる!すごい!
Ostia
- 出版:uchibacoya
- ゲームデザイン:戸塚中央