この”牢獄”から抜け出せ「療養所からの脱出」

  • プレイ人数:1人~6人
  • 所要時間:60分×10シナリオ
  • 難易度:かんたん
  • 12歳以上

5

さいころ猫的総合評価

★★★★★
鉄板のおもしろさ!絶対オススメ!

ゲーム内容

ここは一体・・・・病院?
そう言えば兄に勧められて受診したらなぜか即入院させられ、よくわからない治療を施されて気が付けばここに・・・。
逃げなければ絶対にヤバい。その前に個人情報も始末しておかなければ、結局捕まってしまう。だがおそらく残された時間はそう多くない。とにかく行動しなければ!

プレイヤーは、ある精神疾患を扱う療養所に関わる5人のキャラクターとなり、この怪しげな療養所からの脱出を目指します。
コンポーネントは療養所のフロアマップと各部屋を示す封筒(その部屋に関わるカードや小道具などが収められている)からなり、カードに記載されたテキストを読み進めることでシナリオが進むようになっています。
途中、行動について選択を迫られることがあり、どちらを選ぶかによって物語の展開が変化するようになっています。その際、メインとなるカード(メインデック)と、同じ番号が振られた別建てで用意された補助カード(補助デック)を入れ替えることで、選択がストーリー展開に反映される仕組みになっています。

この療養所はどの部屋も、これでもか!というほど細かく施錠されており、探索するにも脱出するにもとにかく鍵を開けながら進めるしかありません。
しかし、医師や看護師など複数の関係者が開錠できる必要があるので、基本的にどれも4桁の暗証番号による施錠となっています。
しかも、これだけあっちこっちを施錠してしまうと暗証番号を覚えきれない・・・・のでしょう、各扉には暗証番号を思い出すためのヒントとなるようなものが用意されています。
これを利用して謎解きをしながら脱出を目指すことになります。

この療養所には異なる背景を持つ複数のキャラクターが囚われており、彼らも同様に脱出を目指しています。時には誰かの行動がほかの誰かの行動に影響を与えるようなことも。
これを実現するため、シナリオは前編5シナリオ、後編5シナリオの合計10シナリオに分割されており、前後編はそれぞれ独立したパッケージになっています。

謎解きは簡単なものから非常に難解なものまでありますが、このゲームにはヒントと解答が準備されており、わからなければヒントを見る、どうしても解けなければ解答を見る、というステップが用意されており、謎が解けないから手詰まりには絶対にならないようにできています。

製作者が設定したクリアタイムは1シナリオ1時間。ヒントを見たり、謎解きを間違えたりするとペナルティでタイムが加算されるようになっています。
時間内に謎を解いてこの物語の結末を見届けることができるでしょうか!?

ここが〇

セットアップは簡単ですぐにゲーム開始できるよ。謎解きに自信のある人もない人も楽しめるように工夫されているよね。
しかもこのボリューム。やりごたえ抜群だよ。

ここが△

謎はすべて4桁の数字を割り出すことが最終的な目標になるので、数学が苦手な人はちょっと辛いかも?
(計算が苦手とかではなく、数学の教科書開いたとたんに眠気が・・・というタイプね。でもまぁミミックが問題なくプレイできているのだから多分大丈夫だよね、うんうん。)

にゃんたのプレイメモ

今日のにゃりまろ

協力型謎解きゲームです。ちょっとサスペンスホラー要素あり(といってもグロとかはないのでご安心あれ)なので、ドキドキしながらストーリーを読み進めることになります。
謎はとにかく多彩で、よくあるパターンで簡単に解けるものから、まじか!まさかこう来るとは!と感心してしまうようなものまでかなり作りこまれています。それに対応して、一つ一つのコンポーネントもよく作りこまれており、小道具を使いながら解くような謎も用意されているので飽きません(ネタばれ防止のため、お見せできないのが残念ですが)。大量に用意された謎の中には、あれ?前回同じようなやつあったよね?じゃぁ同じパターンで、と思ってやってみると間違いだったりして、製作者の”やっぱりそれだと思ったでしょ?残念でしたー”という声が聞こえてくるかのような錯覚に陥ることもしばしば。
全体的には謎の難度は比較的高めと思いますが、協力ゲームですので、プレイヤー間で知恵を出し合って解くこともできますし、上述したように困ったらヒントを見れば考え方の足掛かりがわかるようになっており、それでもわからなければきちんと解答も用意されています。
本レビューでは難易度”かんたん”としましたが、解答が整備されていて、謎が解けなくてもストーリーは進行するというのが理由です。謎そのものは歯ごたえ十分なのでご安心あれ。
ちなみに実際プレーしていて、どうしても答えに行きつかず、やむなく解答を見てみたら”あー考え方は合ってたのに、あと一歩だった!”みたいなことも多々ありましたよ。
途中、複数のキャラクターの視点に切り替わりながら物語が進むので、電源ありゲームの”428”などのザッピングシステムがお好きな方は結構はまるのではないでしょうか?

尚、公式ルールではスマホは切っておけ、となっていますが、スマホはともかく電卓くらいは用意しておいたほうがいいでしょう。
また、想像以上に色々書いてみるパターンが多いので、メモ用紙は多めに準備しましょうね。
ゲームはテキストを読み進めることで進行しますので言語依存性は非常に強いです。よほど英語に堪能な方以外は日本語版で遊びましょう。


療養所からの脱出

  • ゲームデザイン:Martin Nedergaard Andersen / Alexander Peshkov / Ekaterina Pluzhnikova
  • メーカー:Lifestyle Boardgames Ltd
  • 日本語版: ホビージャパン