放課後さいころ倶楽部!! アニメ『放課後さいころ倶楽部』第12話

それぞれの将来は!?

あっという間に終業式。美姫はいろいろなことがあった一年のことを振り返ります。
最初はなんとなくこのまま何事もないままに時が過ぎてゆくように思っていた高校生活、それが綾と出会い、翠と出会い、ボードゲームを通してたくさんの”楽しい”と出会った。
そしてエミーとも出会って、居心地のいい空間、自分にとっての居場所ができた。
でもそれはいつまでも続くわけではない。そんなことはわかってるけど・・・・・・。
この場所を失いたくない、そんな感覚。

でも春休み、エミーはドイツに帰省してしまうことに。しかも翠の頑張りに触発されて、ゲームメーカーに自作ゲームを持ちこむ計画を明かします。

一方で、翠にはアメリカのゲームメーカー バッドドワーフのコンペの結果が届いていました。
ジョージからの手紙には、残念ながら落選との知らせと共に、これは前向きな落選であり磨けばまだまだよくなる余地を見抜いた上でのエールであることが記されていました。
そもそも冒頭に翠のことを新人”デザイナー”と評した時点で彼が翠に一定以上の評価を与えたことが見て取れますね。
ジョージはかなりのSですが、きっと翠大好きなんだろうな。

そしてこの手紙は将来的なアメリカへの招待状でもありました。
今はまだ全くわからないと言いつつも、本場で挑戦することを考える翠。
きっとうまくいくと思うし、もしうまくいかなくてもその経験は彼女にとって大きな財産になるでしょうね!

自分の行くべき先を見据えて着実に歩を進める2人に対し、綾は?というと、もはやフリーダム。
お父さんの影響で動物関係の仕事をしたいというものの具体性は皆無。
でもこれをやってみたい!という好奇心だけは人一倍で、よく言えばどこへでも行けてしまう感じ。

でも美姫は今のところ先のことは考えられなくて、今いるこの場所がすべて。
できることならいつまでもここにいたい。
だけどいつかみんなバラバラになってしまう。
ここにいることしかない自分はなんだか置いて行かれてしまうような気がして、みんなと一緒に話をして楽しい時間のはずなのにふと寂しさがよぎってしまいます。

今いる場所が心地よければ心地いいほど、先のことがちょっと怖くなる。
ずっとこのままなんて、そんなことはあり得ないと頭では分かっているのだけれど、そう自分に言い聞かせようとすればするほどかえってこのままでいたいという思いが強くなる。
私にも経験がありますし、この気持ちはよくわかります。
この先進学、就職、恋愛、結婚など様々な理由でそれぞれの進む道は分かれて行き、そこで新たなメンバーと新たな関係が構築される。
そしてどうしても”今”いるコミュニティーが生活の中心になって、かつてのコミュニティーはだんだん希薄になってくる。

でもね、美姫ちゃん。心配しなくてもその気持ちはいつかとても綺麗な思い出になって君の人生の宝物になるのだよ。
それにずっと一緒にいることはできなくなるかもしれないけれど、ずっと友達でいることはできるのだしね。
(同じボードゲーム好きとして、そして人生の先輩として、美姫ちゃんを応援していますよ。)

そんなある日、いつものメンバーとすれ違ってしまった美姫。
翠を探してさいころ倶楽部を訪ねた際に出会ったゲームはこれでした。

今回のゲームは、「ナンジャモンジャ(緑)」

遊んだゲームは「 ナンジャモンジャ(緑) 」です。(プレイ経験あり、当サイトでもレビューしていますので、よろしければ見てみてください。)

カードを眺めながらその中のなんとなく内気そうなキャラクターに自分を重ねていた時、いつものメンバーが駆け寄ります。
みんなが出会えたきっかけが、実は偶然通りかかった田上君と吉岡君がちょっと寂しそうな美姫を見かけて綾に電話したことだった、というエピソードも、美姫が一年間で創った人間関係あってこそという感じで、なんかちょっといい感じでした。
(でも吉岡君、そこは田上君を置き去りにしてでも美姫ちゃんに声をかけるべきタイミングだぞ!田上君も気を利かせてあげないと!!)

そしてみんなでゲーム。結果は美姫の勝利でした。
ゲーム自体はキャラクターに名前を付けて、名前を付けたキャラクターがオープンされたらいち早くその名前を呼ぶ、という簡単なものなので屋外でもできますが、やはりテーブルを囲む形じゃないとちょっとやりづらそうですね。

これからも友達!

2年になると、進路選択の違いからクラスがバラバラになってしまう。
でも来年もこのメンバーで楽しもうという思いを込めて非公認部活動を設立することになりました。
店長のお店の名前を借りて付けた名前は、そう、このアニメのタイトルでもある放課後さいころ倶楽部でした!
きっと新しい学年になっても”楽しい”がいっぱい見つかることだと思います!

最終回

アニメ、放課後さいころ倶楽部はこれにて一区切り。
振り返ると、アニメスタート!やったー!と思ったのがつい先日だったのに、もう終わりなのか、という感じ。
大体ゲームを題材にした漫画/アニメって、どうしてもゲームの勝敗がストーリーの軸になりがちだと思うのです。
あるいは逆にゲームは本当に小道具で、登場してもその内容についてはあまり重要視されない、大部分はそんな感じだと思います。

一方この作品はというと、ボードゲームという題材を使っているけれど、必ずしもゲームの展開や勝敗そのものにフォーカスをあてている訳ではなく、人間模様中心であることがとてもよかったと思います。
その上で、登場するゲームに意味があって、それぞれの人間関係を上手に彩りながらきちんとボードゲーム自体の楽しさも描いてくれたことがとてもよかった。

実は最終回に至るまでにもアニメに描かれなかったけれどとても良いエピソードがたくさんありますし、もっと言うと原作漫画はまだまだ続いていて、この先にもぜひアニメで見たいエピソードがたくさんあります。
できることならば第二期を作ってほしいなぁと思いますね。
あるいはこの作品は一話完結型でも全然成立してしまうので、OVAや劇場版でも作りやすいと思うのですが、いかがでしょう!

遠くない未来に続編が見られることを期待し、このアニメ 放課後さいころ倶楽部レビュー記事は一旦終わりにしたいと思います。
(今まで読んでくれた皆様、ありがとうございました。ブログ自体は継続していますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。)

君の・・・・名は!「ナンジャモンジャ」

……最終回…。

あ~、ご主人。さいころ倶楽部、録画ちゃんと撮れてるよ~!
早く見ようよぅ~!

いやや、見とうない!もう最終回だなんて…、そんなん嘘やぁ~!!

なんか見る前から 、 さいころロスに陥ってる人間がいるぞ…。
そして、エセ京ことば!

というわけで、いよいよ最終回!
結局、高校一年生の一年間を描くかたちで、タイトルの回収もして、きれいにまとまりましたね。

一年間を振り返ると、メインヒロイン美姫の成長ぶりが際立ちます。
春には知らない者同士だったのが、一緒に旅行に行ったり、メイドコスでボドゲカフェしたりって、たった一年足らずで、ずいぶんと濃密な関係を築けてますよね…。
また、いつものメンバーの閉じた関係だけでなく、今回もちらっと出てきた男子コンビやマキちゃんなど、ゲームを通じて広い関係もできているのが、引っ込み思案な美姫にとっては、とても貴重だと思います~!

そして、ゲームデザイナーを目指す、翠ちゃんとエミーの目覚ましい成長ぶり。
高校一年生で作品を完成させ、かつここまでプロの世界を目指してアクションを取ることは、なかなかできないと思いますよ。

しかしコンペの返事でアメリカに誘われたというのに、「EUROゲームの方が好みなのよね」と呟く、翠ちゃんの生粋のアナログゲーマーっぷりがよかった!
わかる!やっぱり憧れの聖地はドイツだよねぇ…!!

あと、エミーの創ったゲームがどんなものか知りたかったなぁ…!

でも、このブログをはじめて知ったのですけど、けっこうボードゲームはグローバル展開が基本ですよね。
デザイナーがドイツ人でてっきりドイツゲームかと思っていたら、意外と版元はアメリカだったり、フランス、スウェーデン、カナダ、そうそうイスラエルなんていうのもあって驚いたなぁ…!
なのでアメリカか EUROかよりも、商業ゲーム制作の現場を肌で感じられる機会の方が、きっと重要だろうと思うよ、翠ちゃん!

みんながお互い出会えたことで、いつの間にか影響を受けて、少しずついい方向に変わっていく…。

…とまとめたかったけど、綾は徹頭徹尾マイペースでしたね!
なんか、綾はそれでいいんだと思う!!
この子は、自分のやりたいことを行き当たりばったりにやってるうちに、道ができて、なんとなくうまく行っちゃうタイプだよね♪
それを担保しているのは、好奇心の尖りっぷりとずば抜けた行動力だと思う…。

しかし「獣医さんとかもいいなぁ…」と言うほんわか綾に、「それなら理系に進まないと!」と堅実かつ現実的な即答する美姫に笑った…!
美姫は、そんなに目立たないけど実は仕事できるってタイプになりそう…。

さて、今回のゲーム「ナンジャモンジャ」!
これは面白いです!プレイヤースキル関係なしに盛り上がれる!!
うちのレビューでは総合評価4だけど(まぁ、戦略性とかあんまりないからね)、個人的には最高評価5にしたいくらい大好きです。

あとねコンポーネントがいいよね。
キャラクターの可愛らしさが、「ニムト」とか「ゴキブリポーカー」とか「ワードバスケット」とかの、仲間内のゲーム会でわっと盛り上がって場を温める定番ゲームのラインナップの中でも、頭ひとつ抜けているよ!
ロシアゲーム、おそるべし。

わが家の一歳児が、初見で気に入ってしまい、カードを楽しそうにためつすがめつ眺めていました。
「ドブル」のカードを見せても、ここまでの反応はなかったなぁ…!

というわけで、ゲームシーンはわりとあっさりでしたが、カードの可愛らしさは十分堪能できたと思います。
すごろくやさんがスポンサーとして、がっつり監修してるアニメだけはある。
まぁ、もう少し「ナンジャモンジャ」の楽しさを描いてほしかった気もするけど、まぁ、最終回ですしストーリーの中でうまく小道具として使ってくれてるかな。

それにしても、2期ないんですかねぇ…。
全体を通じて、個人的には店長エピソードがあまりにザックリとカットされたのがせつないです!
店長のいいシーンが少なかったよ…!
それにホラ!そこカットされたら、「カタン」も出てこないから…!

続編があったらいいなぁ…!やってくれないかなぁ…。

アニメの出来、予想以上によかったと思うんですよ。
登場人物そこそこ多いけど、キャラは立ってるし、舞台の京都の魅力とか、ゲーム説明とか、けっこう描く要素があるのを、丁寧にまとめてくれたと思います。
ヒロインたちもそれぞれ可愛いし!

なによりエピソードの取捨選択が適切で、美姫を中心としたストーリー構成が一貫していて、とてもよかったと思います。
まぁ、店長エピソードはポイされたけどね。


※リンク先「ゲッサンWEB」で原作コミック第1話が無料公開されてます!(2019/10/6現在)

放課後さいころ倶楽部 7巻

  • 作者:中道裕大
  • 出版社:小学館(ゲッサン少年サンデーコミックス)