父と娘の骨肉の争い再び!「くみことかつひさ」

  • プレイ人数:2人
  • 所要時間:15-20分
  • 難易度:ふつう
  • 推奨年齢:10歳以上
3

さいころ猫的総合評価

★★★☆☆
おもしろい!
ぜひプレイしてみて

ゲーム内容

”あなたの考えはもう古い、いつまでも過去の栄光にすがって同じやり方をしていたのでは先はないのよ!”
”何を馬鹿なことを!ウチはこのスタイルでここまで大きくなってきた。成長が鈍化していると言えども借入金はいまだゼロ、経営は堅調だ!どうやら子供の育て方を間違ったようだな。経営権は返してもらうぞ!
”何を言い出すかと思えば。それを決めるのは株主たち、あなたではないわ”
”上等だ、ならば株主総会で白黒つけようじゃないか!”

(どこかで聞いたことのありそうなやり取りですが、フィクション・・・・・・のはずです。)

プレイヤーはとある老舗家具販売会社の創業者にして会長である父親と、現顧客を重視して時代にそぐわなくなりつつある会社をドラスティックに改革することをもくろむ新進気鋭の社長である娘となり、会社の経営権を掌握するべく株主の囲い込みを競います。

まず適当な方法でプレイするキャラクターを決めます。
しゃちょうとかいちょうはそれぞれ特殊能力を有しており、それを踏まえてセットアップを行います。
それぞれにトランプ2枚を配った上で、社長は提案カード3枚を持って、会長は提案カードは1枚しかない代わりに勝ち点となる株式3万株を持ってゲームスタートします。

このゲームのベースはトランプを用いたトリックテイキングになっています。
まず山札から株主カードをオープンし、その持ち株数相当分(1万株につき1枚)だけトランプの山札からトランプをオープン、同じ枚数だけ双方山札からトランプをドローします。
さらに提案カードの山札から提案カード1枚をオープンしセットアップ終了、ここから争奪戦が始まります。
基本的には場にオープンされたトランプのスートをリードとして、それに対し各々が手札からマストフォロー(同じスートのトランプを出す)し、トリックを行う(カードの強さを競う)ことになりますが、ユニークなのはトリックを取っただけでは勝ちにはならないということ。
勝敗はあくまでも点数制になっており、その点数を決める根拠は株主の意向(株主カードに記載された点数ルール)と、株主およびプレイヤーからの提案(提案カードに書かれた点数ルール)によるのです。

プレイヤーはトリックを始める前に、手札から提案カードを出すことができます。
1つのトリックにつき、最大オープンされたトランプと同じ枚数だけの提案が有効になりますが、山札からオープンされた株主の提案事項は確定していますので、プレイヤーからの提案は残りの枠内で行うことになります。
枠が足りなくなった場合、相手の提案を新たな提案で上書きすることも可能。
両者の提案が終わったらいざトリックへ移行します。

カードの強さは一般的なトランプと同じで、エースが強くて2が最弱、スートはスペード、ハート、ダイヤ、クラブの順。
もし提案カードの効果で切り札が設定された場合は切り札が優先されます。
場にオープンされたトランプの枚数だけトリックを行い、すべて終わったら手元のカードを株主カードおよび提案カードのルールに従って得点を計算、高得点だったプレイヤーが株主を獲得します。

これを株主カードが尽きるまで繰り返し、最終的に囲い込んだ株数が多かったプレイヤーが勝利、晴れて経営権を握ります。
(尚、その後会社がどうなるかは別の問題ですが・・・・・・)

ここが〇

時事ネタをベースとしたゲームなだけに、ただのネタゲームだと思っていたけれど、ゲームシステムはよく考えられていて面白い。
提案カードで毎回攻め筋が変わるので、一味違ったトリックテイキングが楽しめるよ。

ここが△

うーん、どこかで見たことある主人公だけど、いいのかナ・・・。
それはさておき、せっかくこれだけのゲームを構築したのにコンポーネントが簡易的すぎるんだよね。そもそもベースが普通のトランプだし、株主カードも提案カードもシンプルすぎて見栄えがしない。
パッケージに至ってはただのチャック付きポリ袋だし。
これ、専用デザインのトリックカードと外箱、もう少しデザインを工夫した株主および提案カードにするだけで相当よくなると思うんだけどなー。

もう1つ気になったのは説明書。
ワード、エクセル等で作ってプリンタ出力したお手製。必要な説明はきちんと書かれているので不足はないけれど、トリックテイキングなんて知ってるでしょ、という前提で書かれているように感じて初心者には少し読みづらいかな。もう少し文言が工夫されていると嬉しいんだけれど。

にゃんたのプレイメモ

今日のにゃりまろ

ゲームマーケットで購入した作品で、こちらも個人(サークルさん)が作成した同人ゲームです。
当日会場を見て回る中で偶然目について、そのテーマに惹かれて購入しました。
見ての通りとても簡易な作りで、とっつきにくい感じがしていたのですが、プレイしてみればただのトランプとは一味違うトリックテイキングが楽しめるように構築されていて、これはコンポーネントではなくゲームのアイデアそのものが売りなんだな、と思いました。


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くみことかつひさ

  • ゲームデザイン: M.Aoki(A(四日市))
  • 制作: 四日市インドア同盟