- プレイ人数:1人~4人
- 所要時間: 30~60分
- 難易度:ふつう
- 推奨年齢:12歳以上
さいころ猫的総合評価
★★★★★
鉄板のおもしろさ!絶対オススメ!
ゲーム内容
生まれながらの英雄などいない。
或る者は賤民の子として、或る者は貴族の子として、また或る者は船乗りの子として生を受けた。
その動機も然り。一人として同じものはいない。
だが、彼らはみな英雄を志した。
彼らの行き着く先は世界に光をもたらす勇者か?それとも混沌を旨とする覇王なのか?
今はまだ誰も知らない・・・
プレイヤーは各々出自、動機、運命を持った物語の主人公となり、
人物を形作る特徴を得、様々な試練を乗り越えることで伝説を残すことで英雄となることを目指します。
個人ボードに3種類の人物カードをセットし、英雄カードと経験トークンを受け取ってゲームスタート。
人物カードのうち
銅色で描かれた”出自”
銀色で描かれた”動機”
そして金色で描かれた”運命”
これらはランダムに2枚ずつ配られ、任意の一枚を選択していきます。
これがこれからプレイヤーが物語を紡ぎだす一人の英雄の骨格となります。
シンプルな構成の個人ボード
出自と動機は即時公開、運命はゲーム終了時に公開(自分のカードはいつでも確認可)します。
出自は千差万別 動機も人それぞれ
ゲームは3幕から成り立っています。
各幕ごとにデッキが用意されており、ゲームの進行に応じてオープンされていきます。
まずは1幕のデッキから4枚(プレイ人数により5枚)を場にオープンします。
最も最近小説を読んだ人が先手番。
場にオープンされた物語カードを見ながら、いずれかの試練に立ち向かうか、または特徴を得ることができます。
当然ながらいずれにも条件があり、まず試練についてはそれを乗り越えるための判定を必要とします。
判定はルーンを投じることで行い、試練の難易度以上の成功を叩き出せればその試練をクリア、そうでなければ失敗となります。ルーンとはこのゲーム特有のコンポーネントで、記号が描かれたタイル。表が出るか裏が出るかで判定を行います。(一般的なゲームでのダイスやコインの役割ですね。)
基本ルーンは無条件で使うことができますが、プレイヤーボード上のカードに記載されたルーンのマークと試練に記載されたマークが一致した場合は対応する特殊ルーンを追加して投じることができます。
ルーンを投げて成功判定
試練には2つの道程が用意されており、その試練にどのように対応するかをあらかじめ決めた上で試練に挑むことになります。
成功した場合はその道程に記載された勝利点を得たり、新たなルーンを次回以降の試練に使用したりすることができるようになります。
一方失敗した場合でも特にペナルティはなく、その経験は糧となり、経験トークンを得ることができます。
もし試練を乗り越えるにも自身の能力が足りないと思われるときは、経験トークンを消費することで闇のルーンを使用することができます。
このルーンは必ず成功1以上が出せる一方、成功2の場合はペナルティとして堕落トラックが1ポイント低下してしまいます。
堕落ポイントのコントロールが重要
堕落ポイントは個人ボードに示されていて、最初は中庸ですが、行動によって上下します。
どちらに振れるかによって、最終的な勝利点が前後するとともに特殊効果のある英雄カード/反英雄カードの使用制限が発生します。
また、堕落が-4まで進んでしまった場合、それ以上闇のルーンが使用できなくなります。
英雄/反英雄カード。英雄たるもの清濁併せ吞むべし。
当然幕が進むにつれて試練の難易度は上昇していくことになりますが、経験を重ねることでプレイヤーも強化されていくのです。
特長については、道程はただ一つしかありません。
ルーンによる判定を必要としませんが、それを得るためには特定の条件を満たしている必要があります。
様々な試練が待ち受ける 特長を得ることで、主人公の素顔が垣間見える
いずれかのプレイヤーが3つの試練もしくは特徴カードを得た時点で次の幕がオープンされます。
物語カードの中には”味方”カードと”宿敵”カードが入っていることがあります。
これらは少し特殊で、味方カードがオープンされた場合は任意の試練に紐づけられ、その時点で試練の難易度が上昇しますが、その試練を達成したプレイヤは味方カードも同時に得ることができます。
味方カードは単体でルーンの強化や勝利点になる他、この味方を犠牲に捧げることで特殊効果を得ることもできます。
一方宿敵については場にオープンされた時点でその効果が発動します。
多くはプレイヤーに対して何らかの不利益をもたらす効果であり、宿敵を討伐するまで効果が永続します。
宿敵は通常の試練と同様、ルーン判定を用いて討伐し、自身のデッキに加えることができます。倒せば多くの勝利点が得られるなどメリットが多い反面、当然強力で一筋縄ではいきません。
頼もしい味方も時に犠牲の祭壇に・・・ 宿敵を打ち破れ!
これらを繰り返し、いずれかのプレイヤーが第3幕の物語カードを3枚そろえた時点で、後手番のプレイヤーが各々1回手番を実施してゲーム終了。
最後にそれぞれの運命カードを公開し、その効果を含めて勝利点を計算、最も勝利点が高かったプレイヤーの勝利となります。
運命カードの示すものは何か!?
そしてその時、同時に一人の英雄の物語が完成するのです。
ここが〇
それぞれのプレイヤーがそれぞれのキャラクターの物語を作り上げていくという要素が、勝負以外の楽しみも生み出しているよ。
勝負の後に各々の物語を改めて披露しあうと楽しいね。
ここが△
輸入物のゲームにはありがちだけど、ルール説明がちょっとわかりにくかったな。一度理解すればとてもシンプルで単純なんだけどなぁ。
にゃんたのプレイメモ
まず目を引くのはコンポーネントの美しさ。
各カードのアートワークがどれも魅力的でした。
もちろんゲーム内容もユニークでとても面白かった。
TRPGのキャラメイキングのようなイメージで初期手札を決めて、勝ち筋を考えつつも自らの人生のストーリーをどのように進めるかについても想いを巡らせながら進むゲーム展開は、とても好感が持てました。システムそのものは割とシンプルで、一度理解できれば特に難解な部分はなく、サクサク展開します。基本的にルーンによる判定がメインなので、運要素強めではあることは間違いないのですが、闇のルーンや英雄/反英雄カードの使い方などである程度コントロールが効くようになっており、それほど運ゲーだなって感じはしませんでした。
物語が進むにつれて自らの能力も拡張されていく、所謂デッキ構築の要素も含まれていますので、その点もあまり運要素が気にならない理由かもしれませんね。
また、正義のヒーローばかりではなく、暗黒の世界に生きるダークヒーローにもなれる点がとてもよかったですね。正義の行いで得られる勝利点と邪悪な行いで得られる勝利点は等価なのです!
ゲーム終了後、それぞれの英雄の物語を語り合うのもよいでしょう。
BGMは中島みゆきの地上の星orヘッドライト・テールライトをお勧めしますよ(笑)。