生きろ!「ADVENTURE ISLAND/アドベンチャーアイランド」

  • プレイ人数:2人~5人
  • 所要時間: 45~90分
  • 難易度:ふつう
  • 推奨年齢:10歳以上

5

さいころ猫的総合評価

★★★★★
鉄板のおもしろさ!絶対オススメ!

ゲーム内容

”私はここ数日働きづめです。
食料を確保したのは私ですし、火を起こしたのも資材を調達したのも全部私です。それなのに彼女はろくに働かないばかりか、大事な火の番すらできず、消してしまいます。
今朝もまた火おこしからやり直し、こんなことなら一人の方がマシです”

”私だって一生懸命やってるわ。
今までは……たまたま、そう、運悪くうまくいってないだけ。
彼はちょっと幸運が続いてるからって英雄気取り。
なんでも自分の思い通りじゃないと気が済まないんです。
ほんと、小さい男。こんな時でもなければ近寄るのも嫌だわ”

それぞれの事情を抱えてインドへ向かう予定だった、職業も特技も異なる男女。
彼らが乗る船は嵐に遭遇して難破してしまいましたが、幸か不幸かある島に漂着することができました。
プレイヤーは彼らのうちの一人を担当し、この島から無事脱出して故郷に帰ることを目指します。
それぞれのキャラクターには知識、技術、腕力のパラメータが設定されており、それとは別に固有の能力を持っています。能力値はそれぞれですが合計値は同じ、すなわちポテンシャルは同じということになります。
それらを生かしてこの極限状況を切り抜ける必要があります。

ゲームは5つのシナリオから構成されており、島にたどり着いた時点から脱出までの経緯が順を追って体験できるようになっています。
それぞれ独立してはいますが、一連のストーリーになっていますので基本的には順番通りに進めていくことになりますが、場合によっては同じシナリオを何度も繰り返すようなシチュエーションが発生することも……。
ゲームの最終目的は島を脱出することですが、各シナリオごとにクリア条件が定められており、それらをクリアすることで次のシナリオに進めるようになっています。
さしあたりやらねばらなないことは、最低限の生活基盤の確立。すなわち火の確保と寝床の確保になります。

ゲームは一日単位で進行していきます。
適当な方法でプレイ順を決めたら一日の始まりです。
一日の始まりに処理するイベントがある場合はそれを処理した上で各々クリア条件を達成するための行動に移ります。
できることは場にオープンされているカードに記載されているアクションを行うこと。
これを午前/午後の2アクション連続で実施して次のプレイヤーの手番に移ります。

とはいえ、ここはどこともわからない孤島。無人島ではなさそうだが、およそ文明圏でもなさそう。当然ながら道具も食料もないのですべては現地調達が基本となります。
まず何はともあれ食料がないことには生き延びることはできません。
食料には加工された食料と現地で捕まえた魚や肉、大きく3種類が存在します。

どれでも効果は基本的に同じですが、プレイヤー1人につき1日1つの食料を必要とします。
食料を入手する方法は様々で、海岸に漂着した物資の中から食べられそうなものがあるかもしれませんし、島を探索すれば肉や野菜が手に入るかもしれません。

さしあたりできるアクションとしては、海岸に行くことで漂着物カードをオープンすることができます。
食料以外にも有用な物資が手に入る・・・・・・かもしれません。

同様に、島を探索することで場所カードをオープンすることができます。
これにより新たなアクションが取れるようになる・・・・かもしれません。

探索を進めることで、目標を達成するためにはどうすればよいのか、何が必要なのか、だんだんわかってくることでしょう。
どのように行動するかはプレイヤー同士で話し合って決めることができますが、最終的には手番プレイヤーの意思が優先されます。みんなで決めた通りの行動を取らず、独自判断で行動しても構いません。
ほとんどのアクションの成否はダイスにより決まります。
ダイスには緑3か所、黄色2か所、赤1か所が示されており、そのアクションの難易度によって出す必要のある色が違っています。振れるダイスの数は基本的に能力値と一致するので、キャラクターによって得意なアクションとそうでないアクションが存在することになります。

判定に失敗した場合、当然そのアクションの成果は得られませんが、一方で経験マーカーを得ることができます。
次回以降、これを消費することで任意の個数のダイスを振りなおすことができるようになります。
また、中には複数回の判定成功を要求するような高難度アクションもあります。

プレイヤー全員が2アクションを終えたらキャンプに戻って夜がやってきます。
1日の疲れを癒し、明日への活力を得るためにはご飯が必要ですが、食いっぱぐれた場合は疲労マーカーを取らなければなりません。
この疲労マーカー、一定数(プレイヤー人数によって異なる)を超えると力尽きてしまい、ゲームオーバーになってしまうので要注意。

食事を終えた後、各プレイヤーは危険カードを引かなければなりません。
この孤島で起きる様々なトラブルがプレイヤーに襲い掛かりますので、それらを順に処理していきます。

全プレイヤーが危険カードの処理を終えたら次の日になります。
尚、危険カードがすべて尽きる前にクリア条件を達成できなかった場合もゲームオーバーとなってしまうので、スピードも大事になってきます。
誰一人力尽きることなく、クリア条件を達成できればプレイヤーの勝利。

冒険を進めていくといろいろな追加カードがオープンされる場合があります。
これらが一体何を意味しているのか、それは皆さんで確かめてみてください。

もし冒険がうまくいかなかったとしても、繰り返し冒険をし、特定のアクションを取ることで達成項目が増えていきます。
これらを積み重ねて一定の項目を達成すると有用なボーナスが付くようになり、大きな冒険の助けになりますので諦めずにトライすることをお勧めします!

ここが〇

とにかく雰囲気が抜群。あたかも自分が孤島に取り残されたかのような臨場感がすごいです!

ここが△

ちょっと運の要素に左右されることが多すぎるように思うな。どんなに上手に立ち回ってもダイス運が悪いとあっさり失敗することもあるよ。

にゃんたのプレイメモ

今日のにゃりまろ

ゲーム自体はとても簡単なのですが、クリア難度は結構高いです。
とにかくリアリティーを感じさせる作りがすごい。常に食糧はカツカツ、でも探索を進めないとジリ貧。危険カードの枚数制限があるのであまりゆっくりもしてられないというヒリヒリ感。
でも一度うまく回す方法を見つけ出せば一気に物事が進んだりもする。
そんなこんなで気が付くと結構な時間が経っていた、なんてことも何度もありましたよ。

シナリオが進むごとにデッキを組みなおすシステムなので、どんどん新しい要素が増えていくのも楽しいですね。
やっぱりどのシナリオでもサバイバルの基本である食料確保がまず問題になるのですが、こうやれば安定供給できる!という方策を発見しても、次のシナリオでは大抵使用禁止にされるという邪悪さも備えています。

一方で、ゲームオーバー時など、最初からやり直す場合はデッキをもとに戻す必要があり、これは一苦労です。
このゲームは内箱が工夫されていて、カードの種別やその時々で使うカードと使わないカードなど仕分けられるようになっていますが、それでも一度混ざってしまうと大惨事です。

まぁこのシステムの宿命ではあるのでしょうが、これを間違うとクリア不能になってしまうことさえあるので慎重に対応する必要がありますよ。
シナリオ自体もよく考えられていて、そう来たか!と驚かされることも何度もありました。
(ネタばれになるのでご紹介できないことが歯がゆいですが、ほんとに面白いですよ)
ゲームの性質上、言語依存性が非常に高いのですが、それ故にテキスト量が多く、翻訳ミス等がちょいちょい散見されますが、その程度はゲームの完成度の高さで帳消しですね。
Hobby Japanさんでエラッタが公開されていますので、そちらもチェックしてみるとよいと思います。


ADVENTURE ISLAND/アドベンチャーアイランド

  • ゲームデザイン: Michael Palm/Lukas Zach
  • メーカー:Pegasus Spiele
  • 日本語版: Hobby Japan