愛機をカスタムし、敵を掃討せよ!「ガニメデ戦記ZERO」

  • プレイ人数:2人
  • 所要時間:20分
  • 難易度:ややかんたん
  • 10歳以上

5

さいころ猫的総合評価

★★★★★
鉄板のおもしろさ!絶対オススメ!

ゲーム内容

えぇい、敵軍のメックは化け物か!
しかしどれほど苛烈な攻撃だとしても当たらなければどうということはない。
メックの性能差が戦力の決定的差でないことを教えてやる!

208X年に木星で発見された新資源をめぐって争うアフリカを中心としたネクンドゥ軍とヨーロッパを中心としたヴェール軍、最前線である木星の衛星 ガニメデではメックと呼ばれる人型兵器が先頭の主役になっていた。
プレイヤーはそれぞれの軍に所属する小隊の隊長となり、相手を殲滅することを目的とします。

ゲームは構築フェイズと戦闘フェイズに分かれています。

まず構築フェイズ。
プレイヤーにはそれぞれが担当するメックカードが各3機配られます。
メックには能力値が設定されており、以下の4つから構成されています。

  • 行動回数(SP)
  • ヒットポイント(HP)
  • 攻撃力
  • 命中精度(AIM)


また、3機のうち1機が隊長機で少し能力が高く、残り2機が随伴機となります。
(クワトロ大尉とアポリー中尉/ロベルト中尉って感じでしょうか。)
これらメックに対し、カスタマイズを施していきます。

カスタムのためのパーツが描かれた透明カードをシャッフルし、その中からランダムに8枚抜き出して袋の上に並べます。
その8枚の中から先手番のプレイヤーから好きなカードを順番に選び取っていきます。
お互い3枚選んだら、残った2枚を捨て札にして新たに8枚並べます。
今度は後手番のプレイヤーから順に先ほどと同様に好きなカードを選び取っていきます。
お互い3枚ずつ選んだらパーツ選択は終了、各自のメックに装備させていきます。
パーツは大きく三種類あり、それぞれ

  • 右手装備
  • 左手装備
  • バックパック

に分かれています。
1機のメックに対して装備できるのは上記3種類からそれぞれ1つのみ(最大3つのパーツが装着可能)。
パーツにはそれぞれ強化ポイントが指定されており、メックを強化することができますが、マイナス補正がついてしまうこともあります。
当然マイナス補正により基礎パラメーターが0以下になるような構築はできません。

装備させるメックカードとパーツカードを重ね、台紙カードと重ねて透明スリーブに入れると、カスタムメックが完成します。


どのメックにどのパーツを装備するかは、組み合わせルールを守っていれば自由。
1機を最強にするもよし、3機均等に割り振るもよし、です。

カスタムが終了したら、3つの機体を伏せて置き、
チットと呼ばれる各機体の台紙に記載されたアルファベットに対応したトークンを、その機体の行動回数(SP)の数値と同じ枚数だけ袋に投入します。

次に戦闘フェイズ
ゲームの勝者が決まる(いずれかのプレイヤーが相手メックをすべて破壊する)まで繰り返し以下のステップを実施します。

  • 攻撃側/防御側の決定
    各プレイヤーが攻撃するか防御に回るかを決めます。
    初回は先手番のプレイヤーが、以後は最後に攻撃を行ったプレイヤーが袋の中からチットを1枚引き、公開します。
    公開されたチットの色のプレイヤーが、記載された文字と同じメックを使用して攻撃を行います。
    この時点でメックが裏向きの場合、表向きにして公開します。
    (すでに破壊されており、対象となるメックが存在しない場合は再度引き直し。袋の中が空になった場合は、その時点で破壊されたメックのチットを除く、公開済みのすべてのチットを袋に戻して引き直しとなります。)
    防御側となったプレイヤーは自陣のメックから攻撃を受けるメックを1機選びます。
    選んだメックがこの時点で未公開だった場合、表向きにして公開します。
  • 攻撃/ダメージの判定
    攻撃側プレイヤーは、攻撃に使用するメックの攻撃力と同じ個数のダイスを振ります。出た目がメックの命中精度値以下であったダイスの個数が相手へのダメージとなり、防御に指定されたメックカードの上にダメージカウンターを置きます。
  • 破壊、ゲームの勝者の判定
    防御側メックカード上に置かれたダメージカウンターがそのメックのヒットポイント(HP)以上になった場合、そのメックは破壊判定となります。
    ダメージカウンターを取り除き、カードを裏向きにします。
    この時、防御側プレイヤーにまだ健在のメックが存在する場合、魂の継承が発生します。
    破壊されて裏向きとなったメックカードを健在なメックカードの後ろに重ねることでヒットポイントおよび命中精度が+1されるようになります。
    尚、魂の継承は2機分累積可能であり、最大+2の補正を得ることができます。
    が、2機の魂を引き継いだ最後のメックが破壊された場合、攻撃側プレイヤーの勝利が確定します。

ここが〇

透明なカードを重ねることで強化されるメックはデザイン的に全く違和感なし。
簡単な手順で熱いバトルが楽しめるよ!

ここが△

やや運要素が強いかな。
ダイス5個振って4個が6って何~~ひどい~~~~

にゃんたのプレイメモ

にゃりまろ

透明カードを重ねるというアイデアはCanvasと同じような考え方なのですが、基本のロボットカードに武装を追加するというアイデアはまさに秀逸と言えるでしょう。
メック本体は装甲騎兵ボトムズみたいなイメージでしょうか、ノーマルでもかっこいい。
加えて追加できる武装は各々味のあるデザインばかりですが、どれを組み合わせても機体全体としてデザイン的な破綻がなく、本当にかっこいいですね。
また、能力的な部分もよく考えられていて、大きなプラス補正が得られる武装には必ずマイナス補正もそれなりに設定されており、何もかもがパーフェクトにはならないようになっています。そのため組み合わせを考えるときはいつも悩ましくも楽しい時間になります。デジタルゲームのアーマードコアがお好きな方なんかには特におすすめできるのではないでしょうか。また、戦闘は攻撃手番を得るためのチット引き、そして攻撃成功判定のダイスロールと運の要素が強くなりますが、おおよそ攻撃力を高めると攻撃回数が減る傾向になるようにデザインされていて、一撃が強力でも必ずしも生きないこともありますし、逆に攻撃力は弱くとも手数で勝負できることもあって、なかなか面白いです。また、ゲームコンセプトが撃ち合いですのでダイスロールとは親和性が高いと思います。
更に魂の継承システムの採用で、初めに集中砲火を食らって劣勢になったとしても、一発逆転を狙える状況が長続きするというのもよい点だと思います。
簡単なセットアップで戦闘もサクサク進みますので、非常にスピーディーでストレスの少ないゲーム展開です。比較的短時間で回せますので、もし負けても”もう一回”が言いやすいのもいい点なのではないでしょうか?
今後例えば武装カードの追加やイベントカードの追加、チーム戦への対応など、拡張が出たりすると面白いんじゃないかなぁなんて思っています。
ともあれ、2人対戦ゲームとしては間違いなくお勧めの1作です!


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ガニメデ戦記ZERO

  • ゲームデザイン:佐藤敏樹
  • アートワーク:高見誠
  • 制作:さとーふぁみりあ