こどもと一緒にボードゲーム!どれならできる?『ボ育て。vol.3』

ボ育て。vol.3

#ボ育て=「ボードゲーム×子育て」

まだ娘がおなかにいる頃、このハッシュタグをTwitterで見かけました。
「いつかわが子と一緒にボードゲームを楽しみたい…!」そう思っていた私には、膝を打ちたくなるこのキーワード。

それがゲームマーケットで発行された、同人誌と思えないクオリティーの小冊子のタイトルだと知り、にゃんたさんが手を尽くしてくれて入手できたのが、この2019年3月発行のvol.3です。
予想以上によかったので、ぜひ多くのパパママゲーマーさんに知ってもらいたいです!

最初にごめんなさい!現在は絶版してしまったようです…。
わが家ではすごろくやさん(実店舗)で入手しましたが、残念ながら現在は在庫切れ…。
同人誌ですしやむを得ないのですが、いい本なのでぜひ続巻を期待…!
あと、vol1、vol2も再版してほしいです…!

「ボ育て五ヶ条」に、 ボ育て先輩パパママの試行錯誤が見える!

一歳児の母としては、きたるべきボドゲデビューを幸せな形で遂げるために、どんなゲームをどう教えれば楽しんでもらえるのか、大変気になるところです。
親が遊ばせたい…というか、一緒に遊びたいと思っても、こどもが楽しんでくれなければ本末転倒。
なにせこどもの“遊びたい気持ち”は気まぐれで、飽きるのも早く、タイミングを外すとテコでも動きません。

そのために必要な準備や心がけておきたいポイントを、端的にまとめているのが、ムックの冒頭に掲載されているこの五ヶ条。

  1. ルールを理解する
  2. 興味を持つようなルール説明をする
  3. 褒める
  4. やりたくなさそうな時は無理に遊ばない
  5. あいさつと片づけを習慣にする
ボ育て五ヶ条!『ボ育て。vol.3』p2より

あたりまえと思う部分もあるかもしれませんが、解説を読むと、そこに込められたパパママゲーマーさんの試行錯誤がしのばれます…!
そしてこの本…というかムックを作った方々の、ゲーム慣れしていない人に対しても丁寧で、子どもたちに寄り添っていく姿勢には好感を覚えました。

ボ育て視点のクロスレビューが、予想以上にガチだった。。。

さて、このムック、装丁からして同人誌とは思えないほど、ふつうに書店に並んでいそうな洗練されたデザインなんです。しかもフルカラー!
いくら40ページ程度の小冊子とはいえ、正直、この金額で売っちゃっていいのかな…と。
これ、図書館とかこどもの遊び場とかで取り扱いできるクオリティーだと思うんですよね。

そしてメインコンテンツのゲーム紹介記事が、まさかのクロスレビュー形式!
その魅力をお伝えするために、1枚だけ。
表紙に使われているゲーム「ハリガリリング」の紹介記事の紙面の雰囲気はこんな感じです。

「ボ育て。vol.3」ゲーム紹介記事
1ページに1ゲームの紹介記事がまとめられている

ちいさな紙面いっぱいに、簡潔なゲーム説明とコンポーネントの魅力を伝える写真を目立たせた構成。
そして1ゲームにつき、3人のレビュー&評価を見ることができます。
実際遊んだときのこどもの様子や、大人がどうハンデをつけるのかなども、レビューアーさんそれぞれ工夫されていて、とても参考になります。

このゲームはじめて知ったけど、素直に「ほしい!こどもと遊びたい!」と思わせられましたよね…。
そして、娘がちいさいお手てにこのカラフルなリングをはめて、ドヤ顔するところを見たいです!

あと個人的にとてもほっこりしたのは、レビューアーさんが遊ぶお子さんを見守る、あたたかい視線を感じさせるような、こうしたコメント。

このゲームは子供たちも含めてのコンポーネントなんです。大人が遊ぶとちょっと物足りないけど、子どもたちと一緒に遊ぶと、あの頃自分も持っていた、キラキラした宝石のような何かを取り戻せます!

『ボ育て。vol.3』 p6 「雲の上のユニコーン」レビューより

言われてみれば、ボードゲームって一緒に遊ぶプレイヤーを含めた、その場の空気そのものがゲームの価値ですよね。

取り上げられているゲームは、「幼児から遊べるおすすめの9本」「小学校から遊べるおすすめの13本」の計22本です。
ゲームタイトルは公式告知や表紙裏表紙での言及がなかったので控えますが、私でも知っている有名な作品から、こんなゲームがあるのかと思うものまで幅広く取り上げられています。

ボ育て中のパパママのコラムに、ニヤニヤほろり…!

後半は、実際にお子さんとボードゲームを楽しんでいる親御さんたちのコラムです。
…と思っていたら、あの「枯山水」や「ピクテル」のゲームデザイナーさん達も書いてるよ…!
この方たちがどのようにボードゲームに出会ったかとか、すごく気になる…!
豪華なライター陣に心ときめきます…。

また、いまだにめずらしい“親子連れ歓迎”のボードゲームカフェ、ボードゲームイベント情報や、そうした会を主催している方などが教えてくれる、「親子でボードゲームのコツ」やおすすめゲームなど、内容も非常に実用的でお役立ちです。

しかし、私の中でもっとも心打たれたのは、サンタさんにTVゲームをお願いした7歳児に、「CATAN」を買ってはじめて家族で遊んだ、ボードゲーム未経験のパパさんサンタの体験談…!
いきなりカタン!そして7歳でのボードゲームの出会いが、カタンか…!!

そのパパさんのインストール時の戸惑いや、息子さんたちの冷ややかな反応が、我とわが身のインストール失敗時の黒歴史を彷彿として、ヒヤヒヤするやら、でもその後にカタンにハマっていく様子にほろりとするやら…。

お子さんにボードゲームを買ってあげたときに、はじめてボドゲデビューする親御さんも、きっと多いのでしょうね…!
そんな悲喜こもごものコラムから、子育て奮闘中の親御さんたちに勝手に親近感を覚えてしまう、そんな読み物としても充実した一冊でした。


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ボ育て。vol.3

  • 発行人:前田勝利
  • 編集・デザイン:おーつぼじゅうじん
  • 発行:ボ育て!委員会

残念ながらゲームマーケットにも情報がなかったので、覚書までに公式だろうと思われる告知用LPのリンクを張っておきます。
バックナンバーのコンテンツも面白そう!