- プレイ人数:1人~5人
- 所要時間:60分
- 難易度:かんたん
- 8歳以上
さいころ猫的総合評価
★★★★★
鉄板のおもしろさ!絶対オススメ!
ゲーム内容
そこは標高世界一ではない。しかしそこにたどり着くのは遥かに困難である。それなのに何故登るのか?当然そこに山があるからだ!
(このパッケージは最高峰エディションであり、基本ゲームと拡張版がオールインワンになったお買い得仕様ですが、このレビューは基本ゲーム部分を対象としています。)
プレイヤーは2人の登山家を操り、18日間で世界屈指の登頂難度を誇るK2制覇に挑みます。
比較的登りやすい夏山 高難度の冬山
ゲームボードは裏表両方にマップが描かれており、季節によって難度が変わるもののルールそのものは同じ。ベースキャンプから隣り合うマスを一歩一歩、頂上目指して歩きます。
途中青いアイコンで止まったら順応度回復、赤いアイコンで止まったら順応度低下、黄色いアイコンはそのマスに入るための移動力を示します。(無印の場合は必要移動力1)
各プレイヤーには2人のプレイヤー駒とそれぞれに対応するテント駒、行動を決めるためのカードデッキ、現在の順応度を示す個人ボードが配られます。
各登山家駒をベースキャンプに配置、ボード右の勝利点トラックにも対応する登山家駒を置いたらゲームスタート。
一人一つのテント、使い所が肝
このゲームはやるべきことは基本的に2つ。
1つは移動すること。(頂上目指して進む、あるいは安全圏に引き返す)
もう1つは高地に体を順応させることです。
順応度はそれぞれのプレイヤーの手元にある個人ボードで登山家ごとに管理。
標高が上がれば上がるほど人間には厳しい環境になってきますしその日の天候によっても影響が出てくるため、順応度管理が非常に重要になってきます。
これが0になってしまうとその登山家は死亡扱い!となり、それまで稼いだ勝利点も1まで下がってしまうのです。
いかに順応度を保つかがポイント
移動や順応度を上げるためには基本的に手番に手元のカードを使うことで対処します。
カードデッキには移動カードと順応カードがあり、移動カードの中には上りと下りが別に表示されたカードと、そうでないカードが含まれています。
これらが含まれた18枚からなるデッキからランダムで6枚引いて手札とし、各ターン手札から3枚を選んで使用することになります。
全18日間ですので、途中で手札がなくなりますが、その際は捨て札を手元に元してシャッフルし、また18枚のデッキに戻して使います。
通常移動カード 上り下りで効果が違う。効率的に出したい 順応度回復カード。超重要
まず全プレイヤーはそのターンに使うカードを選んで一斉にオープン。その合計値が最も高かったプレイヤーはリスクトークンを取らなければなりません。
リスクは取らないに越したことはないのだが…
リスクトークンは表示された数値分だけ移動力または順応度にペナルティを受けてしまいます。
リスクトークンを取ったらスタートプレイヤーから順に行動開始。
ベースキャンプから頂上目指して移動を行うか、順応度を回復するか、何もしないことを選ぶことも可能です。
但し、1枚のカードの効果を2人の登山家に振り分けることはできないので注意が必要。
移動先は高度とプレイヤー人数に応じて留まれる人数が決まっています(通過はOK)。
標高が上がれば上がるほど人数制限が厳しくなるので、いつ、どのタイミングでアタックをかけるかが重要になってきますし、時には引き返す勇気も必要になります。
また、各登山家は一度だけそれぞれのテントを張ることができます。
テントのあるマスでは毎ターン順応度が1回復します。
またテントは同じプレイヤー駒同士であれば、一方が張ったテントをもう一方が使うことも可能。
もう一つ重要な要素は天気。
常に6日分の天気が提示されていますが、その日の天気によって、指定された標高にいる登山家は順応度や移動力にペナルティを受けてしまうので、先々を見越して計画を立てなけれななりません。
天気についても夏/冬が設定されており、冬の方がより厳しい条件になっているので、夏/冬マップと組み合わせて都合4通りの設定が可能になっています。
上は夏、下は冬。山の天気は変わりやすい ゲージに示された標高にいるプレイヤーにペナルティが発生する
途中、フラッグの記されたマスに止まると、その登山家は対応する数値の勝利点を得ます。
標高が上がれば上がるほど勝利点は高くなりますが、そこから下山しても下がることはありません。(すなわちその登山家の最高到達点が勝利点になるのです。)
但し、死亡した場合はその限りにあらずですが・・・。
このように18日間を乗り切った時点で2人の登山家の勝利点合計値が最も高かったプレイヤーが勝利します。
ここが〇
ルールは簡単なのに奥が深い!少しの油断が命取りになる、登山のシビアさがよく表現されてるよ!
ここが△
箱の中に仕切りもトレーも入ってないので、ちょっと収納しにくいかな。
にゃんたのプレイメモ
ルールはとても単純で、ともすると双六?と思わされるような感じさえ受けるほどのシンプルなのに、ゲームを進めていけばいくほどよく練られたシステムに感心させられます。
非常にゲームバランスが良くて、登頂するだけならそれほど難しくないかもしれませんが、生きて安全圏にたどり着くことについてはとても難しい。場合によっては無理して登頂せずに、2人を程々の標高まで登らせて、2人とも生きて帰すことを優先したほうが結果的に勝利につながることさえあり得ます。
一見すると運ゲーでしょ?とみられかねない部分もあるのですが、やってみると実はかなりの部分をプレイヤー自身がコントロールできるようになっています。
天候もある程度先が見通せるし、デッキも内容が分かっていて、かつ基本的に6枚から3枚を選ぶ方式なので、温存するのか勝負をかけるのか、ある程度戦略的に使うことができるのです。
ですが、ですが、ですよ、それでも尚、わずか一手読み違えるだけでみるみるうちに順応度が減っていき、K2の峰に屍をさらすことになってしまうこともあるのです!
私は登山経験はないですが、それでも本当に登山をしているかのようなスリルを味わえる良作だと思います。
セットアップも簡単、ルールも単純なので子供とプレイするのもいいかもしれませんね。
その場合、救済措置として救難カードを使うこともできます。順応度が尽きたときに死亡ではなく、ペナルティは受けるが復活できるカードなので、プレイヤーの経験などに応じて使用するかどうか判断するといいでしょう。